英国TSB銀、バイナンス等への送金停止を計画=報道

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仮想通貨取引所への送金をブロック

英国のTSB銀行が、バイナンスやクラーケンなどの暗号資産(仮想通貨)取引所へユーザーが送金するのをブロックする計画であることが分かった。銀行預金を活用した仮想通貨の購入を禁止する方向で動いてる。The Timesが報道した。

背景にはこれらの大手プラットフォームを詐欺師がりようしていることにあり、特にTSB銀行はバイナンスについて警戒している。同銀行は、3月15日から4月15日までの間に、849人のTSB銀行ユーザーが、バイナンスにアカウントを持つ詐欺師に送金し、それを失ったと報告した。

具体的な対策方針は明らかではないが、バイナンスにもFiat入出金サービスがある。

バイナンス:Fiat入金画面

バイナンス

バイナンスとは、取引高・登録者数が非常に多く、世界的に有名な暗号資産取引所のことである。

投資アドバイザーを装う詐欺が多発

詐欺は、投資アドバイザーを装う人物によって行われることが多い模様だ。TSB銀行によると、詐欺師は投資アドバイザーとして被害者に近づいてデビットカードの情報を入手し、仮想通貨取引所のアカウントに資金を引き出すという。

資金が仮想通貨に変換されてしまえば、TSB銀行が詐欺師を追跡することは困難だ。特にTSB銀行は、詐欺に遭遇した顧客へ返金補償を提供していることもあり、不正な取引を防止することは重要である。

TSB銀行の不正防止責任者Ashley Hart氏は、次のように説明した。

仮想通貨投資へ人々が急速に関心を高めている状況を利用して、詐欺師はお金を詐取している。私たちは、仮想通貨取引所が詐欺師で溢れており、詐欺の件数が劇的に増加したことを確認している。

英国では他の銀行も同様の措置

最近、取引所への送金停止措置を講じた英国の銀行はTSB銀行だけではない。英デジタル銀行Starling Bankも「金融犯罪への懸念」から、新たな取引チェックのプロセスを導入するまで、仮想通貨取引所へのユーザー送金を停止すると発表していた。(6月23日から再開予定)

この際担当者が「すべての銀行に関わる問題」と述べていたように、英国ではBarclaysやMonzoなどの銀行からも、一時的に仮想通貨取引所へ送金できない状況があったと報道されている。

 

詐欺に遭遇しないために

TSB銀行の不正防止責任者Ashley Hart氏は、クラーケン、バイナンス、Bitcoin.comなどのよく知られた取引所でも詐欺師のアカウントが多く開設されており、2万9,000ポンド(約440万円)を詐取されたユーザーもいると報告。

法的に認可された仮想通貨投資アドバイザーは存在しておらず、電話やメールなどで突然連絡をもらった場合は詐欺の可能性が高いと注意喚起している。

また仮想通貨ウォレットは絶対に自分で管理する必要があり、自分で開設して他人には操作させないようにすることを呼びかけた。

TSB銀行は、そのウェブサイトで詐欺に遭遇しないために、全般的に以下の項目を挙げている。

  • 暗証番号やパスワードを突然要求されても入力しないこと
  • 疑わしい電子メールなどに掲載されているリンクをクリックしないこと
  • 以前より本物であることが分かっているメールや電話番号などから金融機関に直接問い合わせること

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