仮想通貨送金のメリットと課題
米消費者金融保護局(CFPB)が、新たな電子送金のルールを最終決定し、その内容を記載した文書を発表した。
その中で、米リップル社のような仮想通貨企業は、事業やパートナーシップを拡大しているが、送金業において短期的には銀行や信用組合のネットワークに置き換わる可能性は低いと述べた。
本文書は、送金業界におけるセーフハーバー・ルール(基準を満たした金融機関は違反や罰金の対象にならない規定)の改善を提案したもの。金融機関に発生するコンプライアンスコストの削減を可能にする内容で、その例外が適用される期間は今年7月21日までと決定した。
今回のCFPBの見解が明らかになったのは昨年12月。本組織は金融規制改革法(ドッド・フランク法)に基づき、2011年に米連邦準備制度理事会(FRB)の下に新設されたリテール金融部門の単一の規制監督当局。金融サービスを利用する消費者の保護などを目的に、規制整備や監督を行っている。
CFPBは今まで、SWIFT(国際銀行間通信協会)やリップル社らの事業を調査してきたと述べ、リップル社はXRPを活用し効率的な送金を実現していると説明。SWIFTやリップル社のサービスが幅広く利用されれば、送金が受け取られる前に、銀行や信用組合が正確な送金額を知ることもできるようになるメリットはあるとの見解を示している。
しかしながら、そのような現行の送金の問題をどこまで解決できるかにも限界があると説明。現在の銀行のネットワークには定期的に新たな金融機関が追加されており、調査結果や金融機関のフィードバックからも、完全に銀行のネットワークに頼らずに送金ができるようになる可能性は低いと結論づけた。
参考資料 : CFPB
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