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今週の相場の動きは
今週3日にビットコイン(BTC)価格は、37,920ドルを記録。その後も続伸している。イーサリアムも前週比で約+30%にまで上昇を見せた。
各指標の騰落率一覧
2/5(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
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月初来騰落率
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年初来騰落率
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(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)
1/30〜2/5のBTCチャート
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週のビットコイン(BTC)対円相場は確り。5日正午現在では直近3週間の下げ幅をほぼ帳消しにしており、400万円乗せを試す展開となっている。
相場は週末にVISAが暗号資産(仮想通貨)、ブロックチェーン事業参入に意欲を示したことで335万円周辺から切り返し、イーサリアム(ETH)相場の上昇やマイクロストラテジーの追加BTC購入が意識され、週明けから戻り歩調となった。その後もETH対ドルの市場最高値更新や、VISAやPayPalから好材料が出て上伸し、4日には一時400万円に乗せる場面もあった。
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この他にも、今週の懸念材料だったADP雇用統計、ISM製造業景況指数、米失業保険新規申請件数が軒並み強く、株式市場のリスクオンもBTC相場の支えとなった。
一方、これまではリスク回避局面で買われていたドルが今週は強含んでおり、米経済回復と雇用安定期待がドルの支えになっている模様だ。また、こうした期待が米長期金利の上昇要因ともなっており、「ドル高+金利上昇」と金(ゴールド)相場には打撃となり、BTCも僅かながら影響される場面もあった。
しかし、米期待インフレ(ブレークイーブンインフレ率)が2018年4月ぶりに2.2%に接近する中、直近のBTC相場はこれに追随しており(第2図)、金のパフォーマンスを凌いでいる。金は歴史的に米長期金利と逆相関関係にあることから、こうした制限に影響されにくいBTCの魅力が増してきていると指摘される。
経済の回復による安全資産需要の後退は懸念として一つあるが、米国にて1.9兆ドル規模の追加財政政策合意も視野に入る中、期待インフレと金利の上昇はこの先も見込まれ、中長期的に金に対してBTCのインフレヘッジとしての優位性が高まると考えられる。
来週は米消費者物価指数の発表(10日)もあるため、12月に続き1月もインフレが進行したか注視したい。
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