世界中の経済をストップさせた新型コロナウイルス。日本では第一ラウンドが終わったようだが、すでに国民は疲弊している。一方で「日本が再び世界の先頭に立つ」チャンスもあるという。

コロナの死亡率日本は実は高かった

緊急事態宣言が全国で解除され、経済活動が再開されました。約1カ月半に及ぶ日本の自粛期間は、世界的に見てどの程度新型コロナウイルスを抑え込めたのかを振り返ってみましょう。

経済学者 竹中平蔵氏
経済学者 竹中平蔵氏

 

2020年6月14日現在、日本の新型コロナ死亡者数は925人。11万5402人のアメリカ、4万2720人のブラジル、4万1662人のイギリス、3万4301人のイタリアなど欧米や南米と比べて低い水準で抑え込むことができています。日本のコロナ対策が効果的だったようにも見えますが、欧米諸国に比べるとアジア各国は全体的に死亡率が低い結果となっています。

アジアはMERS(中東呼吸器症候群)やSARS(重症急性呼吸器症候群)、新型インフルエンザなどが流行した過去があります。そのため、今回の新型コロナに対する免疫もある程度できていたのではないかという見方もあります。

要因はさておき、実は日本の死亡率はそのアジア主要国の中で比べると高い部類に属し、中国の2倍、シンガポールの1.5倍にものぼっています。中国の統計が本当に正しいのかはわかりませんが……。