「食料戦争に負ける国」

ISM

おはようございます、眞殿です。

前回、日本の食料自給率はずるずると下がり、2020年度は統計データが存在している1965年度以降、過去最低の37.17%という低さになったというお話をしました。

皆さんが口にしている食料の6割以上を海外からの輸入に頼っている日本は、「食料安全保障」の危機に晒され続けているのです。

では、日本と比較すると、海外ではどれほどの自給率なのでしょうか?

カロリーベースと生産額ベースで見てみましょう。

カナダ…… 266%(生産額ベースでは123%)
オーストラリア…… 200% (生産額ベースでは128%)
アメリカ…… 132% (生産額ベースでは93%)
フランス…… 125% (生産額ベースでは83%)
ドイツ…… 86% (生産額ベースでは62%)
イギリス…… 65% (生産額ベースでは64%)
イタリア…… 60% (生産額ベースでは87%)
スイス…… 51% (生産額ベースでは50%)となっています。

どこの先進国でも日本よりはるかに高い自給率ですね。

ちなみに日本の穀物自給率は28%で、2018年のデータでは172の国・地域中128番目、OECD加盟38カ国中、32番目となっています。

なぜこれほどまでに主要先進国と差があるのでしょうか?

それは、日本人口の少子高齢化によって農業人口が大きく減少していることはもちろん、農地面積が他の国に比べて桁違いに少なく、「農家一戸当たり」の農地面積を見ると、EUは日本の7倍、アメリカは104倍、オーストラリアは1591倍という大きな差があるからです。

その根本には、日本の国土面積のうち約7割が森林を占め、農地面積が限られているという問題があります。

これもまた、先進国ではありえないほどの森林面積率となっています。

森林を守ることの重要性や、農地に転換することの難しさは理解できますが、農業政策が適切か否かの答えは言うまでもありません。

原油価格高騰により世界中でエネルギー不足が深刻な今、食料の6割以上を輸入に頼っている国がどれほどのリスクを負っているか、そして、新型コロナウイルスのようにこれまで考えてもいなかったことが起こり得るという覚悟を持ち、生きていく時がとっくに来ているのではないでしょうか。

眞殿勝年

Follow me!

コメント

タイトルとURLをコピーしました