クライアントPrysmの合格
イーサリアム2.0のメインネットローンチのボトルネックとなっていた「マルチクライアント」の欠如に一部見通しが立った。
イーサリアムの主要クライアントPrysmがスマートコントラクト監査企業Quantstampから「合格評価」を受領。ネットワークセキュリティを維持するために重要な主要クライアントの監査が終了、マルチクライアントについて一歩前進した。
コードの完成度が高く、一部マイナーな修正が必要となる、とQuantstamp側は説明している。
QuantstampのCEOはPrysmのレビューについて、海外仮想通貨メディアCoinDeskにこのようにコメントを述べた。
Prysmはローンチの準備が整った。
総規模280億ドルにおよぶETHやその他のトークン、アセットが今後PoS(プルーフオブステーク)のネットワークに移行するため、ETHだけでなく、DeFiのエコシステムにとっても、リスクもリターンも高いプロセス。それだけに、クライアントの整備もテストネットの作動確認も慎重に行われているわけだ。
マルチクライアントの重要性
Prysmの実装準備ができたからといって、イーサリアム2.0のローンチが予定通りに行えることを意味するわけではない。
テストネットの完成確認のためには、すべてのマルチクライアントがシミュレーションを行う必要がある。現時点では、ステーキングやトランザクションの確認を検証するAltonaテストネットに、Prysmのほか、PegaSys、Nimbus、Lighthouseも参加している。
遅延の原因:マルチクライアントの課題
マルチクライアントはセキュリティを維持するためには重要なシステム。例えば、ある一つのクライアントにバグが発生してダウンしてしまった場合でも、他のクライアントに実行ノードが分散されていれば、ネットワーク全体が停止することは防げる。しかし、テストを行う際にバージョンが衝突したり、新たなクライアントがオンラインになった際にテストネットを再起動する必要が生じたりすると、テスト過程には時間がかかってしまう。(ーヴィタリック)
フェーズ0のローンチ時期
7月10日に行われたコア開発者のAMAで、イーサリアム財団のJustin Drakeはメインネットをローンチする前に、クライアントの動作確認や意図的脆弱性の検出など、実現したい統合性および安全性における事項を明確に挙げている。
それらの事項が確実に達成するまで時間がかかるため、仮予定として設定されていた今年11月のローンチは困難になる可能性が高く、早くても2021年1月3日辺りとなるとDrakeは指摘したが、共同創設者のヴィタリックは同意せず、「フェーズ0の起動はETH1.0と比べ時間をよりかける理由がない」と反論。
一方、Drakeはあくまでも自身の意見として、「再三の延期ではなく、2020年以内にフェーズ0の実現を見たい」とするコミュニティの意見を尊重したいとの考えを示し、SNSで「目標はすでに設定してあるから、あとは実行するのみ!」と予定通りの実装を目指す考えを示した。
Loud and clear! 🙂
The community wants phase 0 genesis in 2020—not one day late. The goal is set; let's ship.
— Justin Ðrake (@drakefjustin) July 11, 2020
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