仮想通貨市況
仮想通貨デリバティブ分析企業skewのデータによれば、ビットコインのインプライドボラティリティ・カーブが、記録的なスティープニングとなっている。国内外金融機関のマーケット部門出身者で運営される仮想通貨メディア「CoinCollege」が、その後予見できる動きについて解説した。
ビットコインのボラティリティカーブは記録的スティープニング。
手前が割安なのか、後ろが割高なのか分かりませんが、歴史的スティープニングの後は大抵歴史的フラットニングが訪れます。
今までの場合だと、原資産が突如動意付いて手前のボラが急騰してフラットニングするパターンが多いです。 https://t.co/JIgBbevoqZ
— CoinCollege∛-暗号資産メディア (@CoinCollegeTK) July 5, 2020
オプションの「プレミアム」を基に逆算して算出するインプライドボラティリティ(IV:予想変動率)は、将来予測される価格変化率の標準偏差であり、市場参加者の将来の価格変動に対する期待や需給が反映されたものとなる。
金利の利回り曲線を示すイールド・カーブの場合、短期金利と長期金利の差が広がり、カーブの傾きが急になることを「スティープニング」。 短期金利と長期金利の金利差が小さくなり、カーブの傾きが緩やかになることを「フラットニング」と呼ぶ。
上記のskewボラティリティ・カーブでは、期近オプションのインプライドボラティリティが、期先よりも大幅に低いことを意味している。
過去のIV動向
30日間のインプライドボラティリティを測定する「VIX(恐怖)インデックス」は今年3月、コロナショックで米NYダウ平均株価が1,400ドル暴落した日に急騰、2009年の金融危機に迫る水準をみせた。1か月のインプライドボラティリティも、55%から65%まで増加している。
ボラティリティ拡大は、短期売買を中心に行う個人トレーダーや一部機関投資家にとっても好機となり得る。 米国の株式の高頻度取引(HFT)を手掛ける大手企業「Virtu Financial」は、ボラティリティ上昇に伴う価格間のスプレッドで利益を稼ぎ出す。
相場のシグナルなどわかりやすく解説するbit仙人 (@bitmexsen) 氏は、過去の相場でも長いレンジの後は、相場の乱高下が訪れる傾向にあることを指摘した。
ビットコイン週足チャート。一か月以上続く長いレンジ相場の後は荒れ相場が待っている。 pic.twitter.com/XNiXImpfe5
— bit仙人 (@bitmexsen) July 6, 2020
仮想通貨市場に限らず、価格が横ばいで推移するレンジ内の値動きが長引き「未決済ポジション(相場のエネルギー)」が溜まっていくほど、レンジブレイク(トレンドが発生)した時の勢いは大幅に増すことになるため、ロット調整など注意が必要な相場環境にあると言えそうだ。
著名アナリストJoseph Youngは、複数のデータから仮想通貨市場の急変動が迫っていることを指摘。 根拠のひとつにBitMEXの未決済建玉(OI)推移を挙げた。
Many data points suggest a big spike in volatility is near.
BitMEX OI building (near $700m), realized volatility at 1-year low (Skew data), and 8 drops below $9k in 2 months.
For now, it seems bears have an edge going into next week.
— Joseph Young (@iamjosephyoung) July 5, 2020
ビットコイン(BTC)市況
6日のビットコイン価格は、前日比0.32%安の97.9万円(9080ドル)に。
一時96.1万円(8913ドル)まで急落するも、急反発した。
同価格帯の水準で急反発するのは直近相場では通算6回目となり、下目線が増えるなか一定の底堅さを示している。
なお、CoinPostのTwitetrフォロワーに対する調査によれば、回答者全体の約4割が仮想通貨の証拠金取引(レバレッジ)取引を経験しており、全体の21.8%が、FX(外国為替証拠金取引)の経験もあると答えた。「どちらもやったことはない」は29.2%に留まり、仮想通貨情報のキャッチアップに優先順位を置いている層の投資経験傾向が垣間見える結果となった。
仮想通貨の証拠金取引(レバレッジ)FX(外国為替証拠金取引に関するアンケートをさせて頂けたらと思います。
ぜひご協力を宜しくお願い致します。— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【iOS版アプリリリース】 (@coin_post) July 3, 2020