フィリピン金融当局、仮想通貨プロジェクト含む詐欺事例で注意喚起

Blockchain

フィリピン金融当局が警戒呼びかけ

フィリピンの証券取引委員会(SEC)が新たに不正プロジェクトを検知、参加しないよう警戒を呼び掛けている。

公式文書で名前が挙がったのは、Forsage、RCashOnline、The Saint John of Jerusalem Knights of Malta Foundation of the Philippines(フィリピン・マルタ財団聖ヨハネエルサレム騎士団)の三つで、一つにイーサリアムブロックチェーンベースの仮想通貨プロジェクトが入った。

SECは文書の中で、無許可投資事業のセールスマンや、ブローカー、エージェントには最高で500万ペソ(約1千万円)の罰金または21年の懲役、あるいは両方が科せられることにも言及、また新型コロナ禍を利用する詐欺、フィッシングなどのサイバー犯罪についても同様に罰せられると警告した。

ネズミ講プロジェクト

Forsageはイーサリアムのブロックチェーンをベースとしたクラウドファンディングプラットフォームで、ユーザーが他の会員を紹介した数や集めた会費に応じて収入を手にする仕組みを謳っている。

フィリピンSECは、これはネズミ講と似ているが投資契約とみなすことも可能で、本来販売前に登録・承認されなければならないと指摘。またフィリピン中央銀行に登録されている仮想通貨取引所のリストにも含まれていないことを問題とした。

RCashOnlineは、再販用の製品を含むビジネスパッケージを提供しているが、製品販売よりも、新たなメンバーを勧誘することで高額の報酬を得られるという仕組みにより成り立っている部分が多いという。

ネズミ講プロジェクトでは、新たな勧誘により報酬が入るというプロセスが停滞した際に、主催者が資金を持って行方不明になるケースが多い。

農業振興を宣伝するプロジェクト

一方、マルタ財団聖ヨハネエルサレム騎士団は、少し変わった宣伝方法を取っている。プログラムへの参加は無料で、会員には毎月5000ペソ(約1万円)相当の食料品を約束している。

さらに将来100ヘクタールの土地を購入して、住宅や農地に充て、農業を学んだ21歳の男性グループを六か月間イスラエルに派遣し、トレーニングさせると主張している。

この騎士団は以前SECに登録されていたものの、2003年2月の違反により取り消されていた。

新型コロナ給付金を利用した詐欺

フィリピンSECが言及しているように新型コロナ危機を利用した詐欺も各国で散見されている。

大きなものとしては先月、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」が、日本を含む6カ国に対すして大規模なフィッシング詐欺を計画していることが発覚した。

500万人以上の個人や企業を標的にして、コロナ危機下の経済支援を行う政府機関を装い、フィッシングメールを送付する手口だった。

新経済支援を迅速に行ったドイツでも、オンラインでの給付金申請開始と同時に多くの偽サイトが立ち上がり、入力された情報を利用して給付金を騙し取る詐欺が横行。

 

COVID-19によりリモートワークが推奨され、諸手続きの電子化や、押印のデジタル化などインターネットを活用した便利なシステムの採用が促進されている。

一方で人々のオンライン行動が増えると、そこに狙いを定めた詐欺も新たに出現するのが現状である。注意喚起やセキュリティシステムの開発が引き続き必要となりそうだ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

 

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