モノ×トークンの日本暗号資産市場社、ステーブルコイン(だいたい安定通貨)を発行予定

Blockchain
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ICHIBAコインを発行

日本暗号資産市場株式会社は30日、ERC20のステーブルコイン「ICHIBAコイン(ICB)」の発行予定を発表した。

発行予定のステーブルコインは「ERC20トークン」であり、法的には事業者用自家型前払式支払手段(資金決済法4条7項の適用除外)で通貨建資産にあたるため、暗号資産ではない。

日本暗号資産市場株式会社は2019年11月に創業した。2020年2月に東京都公安委員会より古物商許可、2020年3月には古物市場主許可を取得、5月にオンラインかんたん買取サービス「オクリマ」のテストマーケティングを開始している。

発行予定のステーブルコイン概要

発行予定のステーブルコインはERC20トークンで、トークン名は「ICHIBAコイン(ICB)」。事業者用自家型前払式支払手段のため、暗号資産にはあたないが、無担保型のステーブルコインとなる。

ICBは、日本暗号資産市場株式会社が運営する古物市場の売買代金の支払いに使用できるほか、古物商などの事業者が当社から仕入れをする際に「1ICB=1円」で使用することができる。

非中央集権的前払式支払手段取引所であるユニスワップで取引可能になった後、1コイン=1円よりも安くなった場合には0.99円まで、1コイン=1円よりも大幅に高くなった場合には、日本暗号資産市場株式会社が1円で販売することで、1コイン=1円になることを目指す。

ユニスワップは、ERC20トークン同士の取引を誰でも行うことができる非中央集権前払式支払手段取引所。ユニスワップに前払式支払手段を流動性供給した人は、誰でも流動性供給報酬として前払式支払手段を得ることが可能。

これまでの前払式支払手段との違い

これまでの前払式支払手段は、資金決済法により払い戻しが原則禁止されているため、ステーブルコインとして使用する際は価値を維持することが困難であり、「だいたい安定通貨」として成功した前払式支払手段はなかった。

しかし、ICBは資金決済法の適用除外にあたる前払式支払手段であるため、発行体による買い戻しが可能だ。そのため、発行体が0.99円までの買い戻しを宣言することで「だいたい安定通貨」として機能するものと考えているという。

今後の見通し

2020年中の発行を予定しているが、開始日などは関係省庁と協議の上、改めて発表する。

市場でICBにより古物を売買した際に、無償ポイント(別のERC20トークン)が付与されるようにすることで、ICB保有者の利便性を向上させることを目指す。

日本暗号資産市場株式会社 代表取締役岡部氏のコメント

当社は2020年3月に古物市場主許可を取得しました。新型コロナウィルスの影響で延期になりましたが、6月に20社以上の古物商を集めて古物市場を既に開催しております。

古物市場は現金取引のみなので、古物商によっては市場に行く度に100万円以上を現金で持ち歩いていて防犯上好ましくありません。そこで、以前から古物市場でのみ使用できる前払式支払手段を発行することで、キャッシュレスを推進したいと思っていました。

この古物市場に参集する古物商を中心とした事業者のみが商行為で使用でき、仕様に応じて別のERC20トークンが無償で貰えるような、新しい前払式支払手段を発行できれば古物市場の取引量が増えると考えています。

今回の発表直後から識者の方から多くの反響を頂きましたが、ほとんどが好意的なものでした。

識者の方にとっては

  • 暗号資産ではないので弊社が法定通貨で販売可能
  • ERC20なのでUniswapを利用可能
  • 古物市場の取引量に応じて無償ポイントを付与可能
  • 資金決済法の適用除外により供託義務なし
  • 同じく適用除外により発行体が買戻し可能

あたりが目新しいポイントだと思います。

自家発行型前払式支払手段はそもそも事後届出制なので、発行前段階において金融庁との事前協議は必要ないのですが、当社は金融庁や警察庁等と積極的にコミュニケーションを取りながら、本年中の発行を目指して準備を進めて参ります。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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