チェイナリシスの新たな追跡銘柄対応
政府・企業向けのブロックチェーン追跡ツールを提供するチェイナリシス(Chainalysis)は新たに、仮想通貨(暗号資産)ジーキャッシュ(ZEC)とダッシュ(DASH)への対応を発表した。
「Chainalysis Reactor」とKYC(顧客確認)サービスというチェイナリシスの2つのツールで対応。発表によると、ZECとDASHは合わせて計15億ドルの日平均出来高を記録している、需要の高い銘柄だ。
チェイナリシスは発表でこの2銘柄のいわゆる「プライバシー機能」について説明。「ZECはshielding、DASHはPrivateSendというプライバシー機能を有するが、デフォルトでなく、選択によって起動される」という。
これらの銘柄は、一般的に「匿名通貨」として認識されているが、チェイナリシスは、「厳密には匿名機能を利用可能な通貨であり、送金元・送金先が追跡できるものだ」と指摘している。
チェイナリシスのデータによると、DASHのすべての送金において、わずか0.7%のトランザクションがPrivateSendを利用。ZECのほうでは、14%ほどの送金がshielded poolを利用し、0.9%だけ完全に暗号化されている。つまり、匿名機能を利用した送金数の割合は極めて低い。
また、「ZECのzk-SNARK暗号化機能は優れているが、我々はそれでも99%の送金において、少なくとも1つのアドレスと送金額を洗い出せる」と、チェイナリシスは説明した。
日本再上場を目指すDASH
Dash Japanチームは今年4月、規制当局と連携を図り、日本で再びDASHを上場させるため、計428.73 DASH(約379万円)の予算を調達し予算案を可決した。
予算案は金融庁やJVCEAなどの自主規制団体、取引所などに提出するもので、再上場には「DASHの送金は追跡出来ない」などの誤解を解く必要があるとした。
取引所コインチェックは2018年6月、モネロ(XMR)、ダッシュ、ジーキャッシュを、「AML/CFTの管理態勢の整備・強化」を理由として、上場廃止を実施しているが、Dash関係者はコインの実態を正しく認識されていないと指摘している。
参考:chainalysis