ゴールド専門家が語る「金・ビットコイン投資」

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ゴールド専門家が見るビットコイン

ゴールド(金)の専門家Trey Reik氏が、貴金属の専門ニュースメディアKitco NEWSに出演し、ビットコイン(BTC)とゴールドの違いについて、投資の観点から語った。個人的見解として、長期的な投資を考えるとすれば、どちらにも同様に投資することが合理的だと述べている。

Reik氏は、ゴールドについての市場分析などを提供するBristol Gold Groupの運営メンバーで、ゴールド採掘企業やゴールド市場についてのアナリストでもある。

ビットコインは「投機対象」である傾向

まずReik氏は、ビットコインは金融市場でもっとも利益の上がる投機対象として台頭してきたが、そのボラティリティの高さにより、まだ「価値の保存手段」というよりは「投機の対象」であると説明した。

Reik氏は、個人向け金融プラットフォームを提供するMagnifyMoneyが4月に発表した調査結果を引用。1,000人以上の米国人を対象とした調査で、そのうち暗号資産(仮想通貨)に投資している者の62%は、仮想通貨により「金持ちになれる」と考えていたという。

この結果も参照してReik氏は、ビットコインに人々が投資する理由は「金持ちになるため」であることが多いが、一方でゴールドへの投資理由は「金持ちであり続けるため」である傾向があるとして、投資フェーズの違いが価値の保存とする見方に違いが表れているとした。

長期投資では「価値保存手段」とみなせる可能性も

これは投資家の種類にも依存するとして、Reik氏は次のようにコメントしている。

もし個人投資家や、利益を重視するファミリーオフィスなどの機関投資家で、目先のボラティリティをあまり重視せず、20年から30年の長期投資として考える場合であれば、ビットコインを価値の保存手段としてみなすことを否定しない。

しかし価値の保存を第一に考える年金基金や大学の基金の場合であれば、ビットコインは価格変動が大きすぎて、リスク許容量の点から投資対象からは除外されるケースが多いだろう。

ファミリーオフィス

一般的に1億ドルを超える投資可能資産を持つ富裕な一族が、世代を超えて資産を管理していくために設置するオフィス。資産運用、遺産相続、会計や税務、家族の教育や慈善活動などを行う。

 

一方でReik氏は「長期投資の場合、ビットコインは他の資産よりも優れているか」との質問を受けて「ビットコインはまだ誕生してから12年しか経ておらず、判断することは難しい」と留保した。

ゴールドの状況についても参照して、資産の価値はそれを取り巻く環境にも左右されることを示唆した格好だ。Reik氏によれば、1980年代にゴールドに投資する根拠はそれほどなかった。当時は金利も、経済の成長率も高く、各国の借金は少なく、貯蓄は多い状況で、ポートフォリオに組み込む利便性はあまりなかった。

現在は反対に、金利が低く、各国の借金が多い状況で今後5年から10年のスパンで見れば、ゴールドはポートフォリオに組み込むことが必須の資産だとした。

ビットコインが「投機的」である理由の一つとしては、著名人のツイートなどに価格が左右されることも挙げられた。

Reik氏はテスラ社イーロン・マスク CEOのツイートで価格が大きく変動したことに触れて、ビットコインは「24時間状況を確認していた方がいいような、エキサイティングな投機手段」であり「価値の保存手段」ではないと述べている。

ビットコインに投資しなかったことを後悔か

一方で、Reik氏は、もし自身が現時点から投資を始めるとすれば、ビットコインとゴールドに同等に投資するという姿勢も見せている。

「20年から30年」の長期的な観点から考えれば、「ビットコインとゴールドに同等の投資をするのは合理的」だとの個人的見解を示した形だ。また過去5年の間にビットコインに投資してこなかったことでチャンスを逃し「嫉妬を感じている」とも打ち明けた。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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