HSBC CEOの見解
大手銀行HSBCのNoel Quinn CEOは暗号資産(仮想通貨)のトレーディングデスクや投資商品を提供する計画がないと明言したことがわかった。
ロイターの取材に応じたQuinn氏は仮想通貨の高いボラティリティや市場透明性の欠如を理由に業界には参入しない立場を示した。
ボラティリティの高さから、ビットコインを資産クラスとみなすことはできない。
クライアントから需要があっても、HSBCは資産管理業でビットコインを資産クラスとして推奨や促進することはない。
また、市場の透明性について、誰が仮想通貨を保有しているか把握しにくく、仮想通貨を容易に法定通貨に換金できない点なども問題として指摘した。
ステーブルコインについても消極的な見解を示し、「ステーブルコインの場合、一部では準備金はあるが、発行組織を支援するものにもよるため、それぞれのストラクチャーやアクセシビリティは整備されていない」と述べている。
HSBCは以前にも仮想通貨へのアクセスを制限するなど、懐疑的な姿勢が示されるのは今回が初めてではない。これまで、顧客がクレジットカードなどで仮想通貨を購入することを許可しない事例が度々報告され、21年3月末にはビットコインを保有するマイクロストラテジー社の株式購入も禁止することにした経緯がある。
大手金融機関が相次いで仮想通貨サービスの提供、検討を進める中、HSBCは一線を画していると言えるだろう。ゴールドマンサックスやJPモルガン、モルガン・スタンレー、Citiなどの金融大手はすでに富裕層向けにビットコインの関連投資商品を提供しており、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を資産クラスとみなしつつある現状がある。
一方、仮想通貨市場は先週末にかけての暴落で主要銘柄が最高値から約-50%の水準を超える大幅安となり、4月〜5月の間にはボラティリティを増していた。
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