マイアミ市長が語るビットコインの魅力
暗号資産(仮想通貨)の擁護派として知られる米マイアミのFrancis Suarez市長が1日、Axiosとのインタビューに応じビットコイン(BTC)に関する見解を述べた。
Miami Mayor @FrancisSuarez to @DionRabouin on his proposal to pay municipal workers and collect taxes in bitcoin:
“The allure is precisely that it’s not backed by a central government, so it’s not manipulatable by a central government.” #AxiosOnHBO pic.twitter.com/awUbabMqKu
— Axios (@axios) March 1, 2021
AxiosはHBOMaxで放映されるドキュメンタリーシリーズ。21年2月にビットコインを軸とした法案が可決された米フロリダ州のマイアミ市のFrancis Suarez市長とのインタビューの一片が公開された。
先月市委員会で可決された決議案はマイアミ市職員の給料をビットコインで支払う選択肢などを加える法案。希望する職員にはビットコインで給与が支給される他、市民がビットコインで納税することも可能にする。
またマイアミ市の財務資金の一部としてビットコインを保有することも検討されてきた。
価格変動率の高いビットコインでの給与支払いや財務資産としての保有はリスキーではないかとする問いに対し、Suarez市長は以下のように言及した。
何に投資するにせよ、リスクはつきまとう。職員にはビットコインで給与を受け取る義務はない。
我々は既に砂糖や豚肉など様々なコモディティに出資している。
1日単位でも10%から20%近く価格が動くこともあるビットコインについて引き続き調査していくとともに、積極的に参入する姿勢を明らかにした。
また米国のイエレン財務長官がビットコインを「非常に投機性の高い資産」などと批判した点について、Suarez市長は「ビットコインに投資する人にとっての魅力はまさしく中央銀行にコントロールされていない点」だと述べ、中央銀行などの中央集権的な機関が管理していない点を評価した。
ボラティリティの高さや犯罪行為に利用されるイメージなど、課題も残るがSuarez氏は引き続き仮想通貨について学び、見守っていく姿勢を強調している。
広まりつつあるビットコイン政策
米フロリダ州のマイアミ市では仮想通貨に友好的な姿勢が示されている。マイアミ市長はウィンクルボス兄弟やAnthony Pompliano氏など仮想通貨界隈の有識者とも対話を重ねており、ブロックチェーン業界の将来性を高く評価してきた。ウィンクルボス兄弟とのインタビューでは「地球上で最も仮想通貨で競争力のある都市」を目指す構想を明かしていた。
マイアミ市と違い市ではなく州単位で見れば、カナダに隣接する米国の北西部に位置するワイオミング州が仮想通貨に対して肯定的な政策を進めている代表例だ。
政策面以外では、日本の国土面積の約2倍の面積を誇る広大は土地が代名詞のテキサス州やケンタッキー州では、安価な電力を用いた仮想通貨の採掘業者が積極的にマイニング事業を展開している。
世界の金融市場の中枢とも言えるニューヨークでは、仮想通貨黎明期にはBitlicenseなどの発行を義務化するなど仮想通貨に対して厳しいイメージがあったが、機関投資家を対象としたグレースケール社などはニューヨーク近辺に拠点を置いている。Suarez市長によれば、マイアミ市の仮想通貨構想はワイオミング、ウィスコンシン、ニューヨークの法律を参照しているという。
マイアミ市では財務資産の一部としてのビットコイン保有は現在も市議会で検討が続くが、仮想通貨の誘致を戦略として用いるSuarez市長の戦略が功を奏するか、今後も注目していきたい。
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