北米最大の採掘企業、大量の最新型マイニングマシン追加購入に踏み切る

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最新機器装備が7万6000台に拡大

米ワシントン州に本拠を置く仮想通貨マイニング企業、コア・サイエンティフィック社(Core Scientific)が、マイニング機器メーカー、ビットメイン社とS19シリーズのマイニング機器5万8000台の追加購入契約を結んだことがわかった。

この契約により、同社は合計7万6024台のS19及びS19 Antminerを過去16ヶ月の間に購入したことになる。プレスリリースによると、この数は中国外に拠点を置くマイニング企業としては、世界最大のものだという。

最新機器の導入により、同社がホストする19シリーズのハッシュパワーは7.26EH/sとなり、約250mWの電力を使用するということだ。

CEOのKevin Turner氏は、すでに1万7000台以上のビットメイン社製の最新機器が、同社の施設内で安定し効率的に稼働しているとしていると指摘。「グローバルなハッシュレート競争に真正面から立ち向かい、北米最大のホスティングプロバイダーとしての地位を確固たるものにする上で、非常に有益だ」と述べた。

ビットメイン社公認の修理センター

また、コア・サイエンティフィック社は、北米唯一のビットメイン社公認のマイニング機器修理センターとなったことも発表した。認定を受けたエンジニアが、ビットメイン社の純正部品を使い、迅速な診断と修理を行うという。中国への国際配送が必要なくなるため、ダウンタイムの大幅な改善が期待されている。

世界のマイニング状況と米国

世界のビットコインのマイニング能力の分布を見てみると、依然として中国勢の支配力が強いことがわかる。

英ケンブリッジ大学の代替金融センター(CCAF)が作成した世界のビットコインマイニング地図のデータによると、世界のハッシュパワーの約65%を中国が占めており、米国は7.24%、カナダは0.82%に過ぎない。

中国がマイニングに強い理由の一つが、マイニング機器の大手メーカー2社(ビットメイン社とMicroBT社)が中国に拠点を置いていることだ。

この点について、コア・サイエンティフィック社の幹部は、マイニング機器向けのASICチップ製造メーカー(サムソンや台湾のTSMC)が、いずれは米国で生産を開始し、マイニング機器が国内で調達可能になると予測しているようだ。

マイニング関連の投資・顧問会社「Foundry」のCEO、Mike Colyer氏は、長期的みると米国が世界のマイニング能力の25%のシェアを獲得すると期待しているという。Colyer氏は、米国での仮想通貨マイニングのシェアを高めることは、世界のマイナー分布を多様化することによって、ビットコインネットワークの強化につながると主張している。

積極的な投資

マイニング事業の設備投資に強気の姿勢を見せるコア・サイエンティフィック社を、資金面で支えているのが、前出のFoundryだ。コア・サイエンティフィック社はFoundryから、最大2300万ドル(約24億円)の融資を受けることを今月9日に発表した。この融資額は、今年のマイニング業界における最大融資案件の一つなった。

Foundryは世界大手のブロックチェーン投資企業、Digital Currency Group(DCG)がマイニング事業投資のために設立した完全子会社。DCGはFoundryに対し、2021年の1年間に1億ドル(約103億円)を投資することを表明している。

市場でビットコイン需要がますます高まる中、ビットコインの供給源となるマイニング事業を組み入れることは、すでに多くのビットコイン関連事業に投資しているDCGの大きな企業戦略のうちの一つなのだろう。

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