仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
20日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+0.19%の186.8万円(18,000ドル)と高値圏で揉み合っている。
Cole Garner(@ColeGarnerBTC)氏は、データ分析企業CryptoQuantの「Exchange Whale Ratio」を元に、 上昇相場の最終局面で出来高が急増する「blow off top(バイイング・クライマックス)」が発生している可能性を指摘した。
Exchange Whale Ratioは、取引所のクジラ比率を示すもので、クジラを示す入金額(出来高)トップ10の金額を、取引所への入金総額で割って計算する。過去のデータ(14日移動平均)では、19年6月の天井14,000ドルをはじめ、20年8月の高騰局面でクジラの資金移動が最高レベルまで活性化おり、今回はこの水準に匹敵する。
海外トレーダーTraderXO氏は、「パラボリック的な急騰の反動で利益確定局面だ」と指摘。クールダウンする必要があるとし、11,000〜16,000ドルのレンジを予想している。
浮動BTCの減少
ブロックチェーン分析会社Chainalysisのデータによれば、すでに採掘された発行済BTCの内、77%は市場には流通しにくい非流動的なウォレットにあり、19年以降は価格上昇局面で、長期目的の保有数増加とともに市場供給量が減少していることが示唆される。
今年9月には、最大発行上限2100万BTCの内、約90%が市場に流通し、残供給量は250万BTCを切ったことがわかっている。
金融市場は需要と供給のバランスで成り立っていることから、株式市場でいう「浮動株」の少なさは、今年3月のコロナ・ショック(金融緩和の影響)や今年5月のBTC半減期での供給量減少を経て、上昇トレンドを助長している可能性が高い。
新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済の不確実性が、代替資産としてビットコインの現物需要を押し上げているとの見方もある。直近では、ビットコインを採掘したマイナーが保有比率を増やすなか、機関投資家や米上場企業などのBTC大量保有報告が相次いでおり、仮想通貨投資信託(GBTC)を提供する米運用会社グレースケールを通じたBTC購入量も大幅増となるなど「供給」よりも「需要」の方が拡大傾向にある。
グレースケールが開示した第3四半期(Q3)レポートによれば、仮想通貨関連の投資信託に計10.5億ドル(約1100億円)が新たに流入した。
資産運用会社Tudor Investment Corp.の創設者であり、著名ヘッジファンドマネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏は、米CNBCのインタビューで、「ポートフォリオの1〜2%を投資したビットコインは、テクノロジーへの初期投資のようなもの」と表現。世界経済の不確実性や中央銀行による年2%減価など金融緩和の影響を念頭に、「ビットコインは、魅力的な米ドルインフレヘッジ手段だ」と改めて強調した。
同氏は、「価値の保存手段」として、購買力・信用度・流動性・携帯性について法定通貨(現金)と比較。信用度について歴史の浅さを指摘しつつ、米ドルを事実上の”減耗資産”とみなしており、20年後に起こり得る第二次世界恐慌への備えを示している。
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