仮想通貨メディアの技術パートナーへ
オントロジーは20年11月、最新の提携先として、仮想通貨メディア コインテレグラフが運営する企業向けソリューション提供プロジェクト、コインテレグラフコンサルティングの公式技術プロバイダーとして選出されたことを発表した。オントロジーは、分散型IDソリューションを中心に、様々な分野の企業に対して広範囲にわたるケーススタディの提供を行っていくという。
コインテレグラフコンサルティングでは、コインテレグラフが企業に向けて、提携を推奨できる組織を「技術プロバイダー」としてベンダーページに掲載している。これらプロバイダーは、過去の実績、技術力および認知度に基づいて選出されており、企業向けにブロックチェーン技術の実装を行う。オントロジーの他には、米リップル社など5社がこのリストに掲載されている。
オントロジーは技術プロバイダーとして、主に以下の領域で、一連の企業向けソリューションを提供することが可能だという。
- 自動車産業:コンポーネント認証、サプライチェーンの簡略化、および請求処理の自動化
- データ市場:取引コスト低下、セキュリティレイヤーの追加、データ品質の改善、および適切なデータアクセスの保証
- データ証明:データおよびアイデンティティの証明、ならびに存在の証明
- デジタル金融:1秒あたり5,000回以上のトランザクション、およびONT ID(オントロジーが開発している分散型IDソリューション)を利用したKYCプロセスの簡略化
オントロジーの他企業との提携
ブロックチェーン技術を基盤に「信用の再構築」を目指すオントロジーは、今年1年間でブロックチェーン業界内外の様々な企業と提携を結んでいる。
dAppsゲーム領域にも注力
オントロジーは20年5月、国産ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」および「ブレイブフロンティアヒーローズ」との提携を発表した。
この提携により、オントロジーが提供しているウォレットアプリ「ONTO」を利用して、両ゲームにアクセスできるようになった。ONTOはNFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)に対応しているため、両ゲーム内でNFTの形で提供されているデジタル資産(ユニットや装備品など)のONTO上での取引が可能になり、ユーザーは以前よりも円滑にゲーム内経済に参入できるようになった。
バイナンス
大手仮想通貨取引所バイナンスは、オントロジーが開発している分散型IDソリューションONT IDのフレームワークを、セキュリティトークンオファリング(STO)プロジェクトに採用することを20年9月に発表した。
ONT IDは、Binance Smart Chain上のSTOで、STOのプロセスで必要な本人確認や資産承認プロセスなどに利用される。これにより、国籍にとらわれずに様々な地域の投資家にSTOに参加してもらえるようになるだけでなく、バイナンスへの上場プロセスもスムーズになることが期待されている。
ダイムラーモビリティ
オントロジーは、世界的自動車メーカーであるダイムラーモビリティと提携を結び、ブロックチェーンを活用した安全かつ快適なドライブ体験提供に取り組んでいる。
この提携の一環として、オントロジーおよびダイムラーモビリティが共同で開発を行っているサービス「ウェルカムホーム(Welcome Home)」の詳細が、今年10月に発表された。ウェルカムホームでは、ブロックチェーン技術に基づいたオントロジーの分散型IDプロトコル(DeID)や分散型データ取引フレームワーク(DDXF)を活用することで、ユーザー(ドライバー)のデータプライバシーを保護しつつ、車内のカスタマイズおよびパーソナル化が可能になるという。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用