ByteTreeレポート、ビットコイン「S2Fモデル」の欠点を指摘

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ビットコインの価値や将来性についての最新レポート

暗号資産(仮想通貨)分析を行う企業ByteTreeがビットコイン(BTC)についての最新レポートを発表した。

レポートでは、希少性からターゲット価格を算出するストック・フロー比率モデルは、現在のBTCの価値を測るには不適当だと指摘、BTCはむしろテクノロジー株に類似しているとした。

また、BTCの将来についても幾つかの点から論じている。

ストック・フロー比率(S2F)モデルに反論

ストック・フロー比率(S2F)とは、「S2F=市場に存在する量(ストック)/年間生産量(フロー)」を計算、貴金属(金や銀)などの希少性と価値を測るモデルとして利用されている。

発行上限がシステム的に決められているビットコインではこのモデルを当てはめた価格予想が盛んに行われている。今年7月には、著名アナリストPlanBが、5月に「半減期」を迎えたビットコインは、ストックに対するフローが急減しており、中・長期的に価格が上昇すると強気な価格予測を行い、話題になった。

一方、Byte Treeはこうした議論に反論、いくつもの欠点を指摘した。

まず、S2Fモデルを基にしたビットコイン価格は、供給側だけではなく需要に基づくという点だ。ビットコインの供給は固定されているため、価格を決定するのは需要側の動きが大きいとする。S2Fモデルでは、需要側のことは組み入れられていない。

また、S2Fモデルは新しく採掘されたビットコインが唯一販売できるコインであるかのように考えられているものの、実際には、すでにBTCを所有している人は誰でも自由に売却できる点が考慮されていないと疑問を投げかけた。

その上で、市場にストック(貯蔵されている量)が多く、フロー(流通した量)が比較的少ない場合はストックが重要になる。現在のBTC市場もストックの量が多く、フローは少ない(今後も低下し続けていく)。このため、BTCに関してはS2F理論は不適当なものになっていると指摘した。

また、Byte Treeはビットコインの採用がネットワークの本質的な価値であるとして、BTCをテクノロジー株に例えた。

BTCは企業利益やCEOを持たない「一種のテクノロジー株」といえるが、セキュリティが高く、分配量と採用例が拡大している。

こうした状況でBTC価格が上下する理由は様々だが、S2Fモデルだけでは説明できないとした。

ビットコイン(BTC)の将来

Byte TreeはBTCの将来性についても言及。

WBTCなど、DeFiでビットコインを裏付けとする資産は、BTC需要を増加させて、長期的に前向きな推進力になる可能性があると論じた。

また、金融機関がBTCを代替投資対象として取り入れ始めるだろうことが、今後の予想トレンドになりつつあるとして、現在すでに退職貯蓄資金にBTCを提供しているGrayscaleや、4億2500万ドル以上をビットコイン購入に充てたと発表したMicroStrategyの事例を挙げた。

Grayscaleのサービスでは、秘密鍵を失う心配なしにBTCへのアクセスが可能となったことに革新性があると指摘。取引所のハッキングリスクなど、サードパーティリスクがないことで、安心してビットコインの将来性に資金を投じられる環境ができた点に注目した。

以前、MicroStrategy社CEOのMichael Saylorは、同社が現金で保有していた5億ドル相当の余剰資金が、利息もつかない上、資産インフレにより「氷のように溶けていく」ことに脅威を感じたことをBTC投資の理由として語っている。

様々な資産の中から、「半値になる恐れもあるが、10倍になる可能性のある資産」として、ビットコインが唯一の選択肢として残ったという。

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