フロントランニングの問題
29日、弁護士兼プログラマーのDan Robinson氏が現状のイーサリアム上でのDeFi(分散型金融)について問題点を指摘するブログ投稿を行った。
Robinson氏によれば、イーサリアムの未承認トランザクションを監視してフロントランニング(取引成立前により有利な取引を行うこと)を行うボットが存在し、常に裁定取引の機会を伺っているという。
また、イーサリアムのマイニングを行っているマイナーであれば、新規ブロックに含めるトランザクションを選択することができるので、フロントランニングによる利益が通常のマイニングによる新規発行とガス代による利益を超えると見込まれれば、マイナーは自身の利益のために恣意的にブロックに含めるトランザクションを含めるようになると危惧している。
ユーザーが支払ったガス代はマイナーへの報酬となるので、ガス代を多く払えば速くトランザクションがブロックに書き込まれるが、その原則が崩れてしまうかもしれない、ということだ。
また、将来的には「オプティミスティック・ロールアップ」などのレイヤー2ソリューションによって解決されるのではないかと期待を見せている。
EOSのCTOが反応
この投稿に仮想通貨EOSのCTO Daniel Larimer氏が反応し、DeFiにおけるEOSの優位性をアピールした。
This is why #ethereum is unsuitable for #defi The problems described don’t exist on #EOS as it is both too fast to front run and producers are known and can be held accountable. Scary what happens on #eth. https://t.co/o6MdVW8u6U
— Daniel Larimer (@bytemaster7) August 29, 2020
これがイーサリアムがDeFiに不向きな理由だ。 EOSはフロントランニングを行うには処理が速すぎて、ブロックの作成者(Block Producer:マイナーに近い存在)が既知であり責任を問われる可能性があるため、このような問題は存在しない。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用