90年前に起きた世界的な感染症流行から世界恐慌、さらに世界大戦にまでいたった過去の歴史から学ぶ。
株式市場の暴落後の群衆

写真=Bettmann /gettyimages
1929年10月24日

「恐慌入り」は待ったなしか

新型コロナの衝撃で、日本と世界の経済はこの先どうなっていくのでしょうか? 各国政府や金融機関・シンクタンクが発表する失業率や経済成長率といった予測数値は、わが目を疑うようなものばかり。世界中の人やものの行き来が分断され、需要と供給が同時に消え去る恐ろしさは、この数カ月だけでもよくわかります。このうえ、再起動を模索中の世界の経済活動が、新型コロナ第2波によって再度停止・分断されたらどうなるのでしょう。

国内では、すでにコロナ禍前から景気減退の兆しが明らかでした。昨年10月の消費税増税によって、10月~12月期は個人消費を示す民間最終消費支出が11.0%減少、実質GDPも年率換算で6.3%減と、ともに想定外の大きな落ち込みを見せており、かつ世界経済のけん引役である米国もまた、昨秋から景気後退局面入りがいわれていました。

そこにコロナショックとそれにともなう緊急事態宣言の発令という追い打ちで、企業の業績は急落。何もなければ普通に存続していたはずのブランド企業が、あえなく消えてしまっています。ワクチンの開発がすぐには望めぬ今、2008年9月のリーマン・ショック超えどころか、すでに「恐慌入り」待ったなしの状況なのでしょうか。