株式投資に興味をもっていた「新規の層」が市場に流入

コロナショックにより、日経平均が大きく下落した3月、国内の個人投資家は8454億円の買い越しとなりました。現金取引による買越額は1兆516億円を記録しており、日銀のETF(上場投資信託)買い1兆3456億円に次いで、国内の個人投資家が3月の急落時に日本株を大量に購入していたことになります。

株式投資に興味をもっていた「新規の層」も流入しており、日本人もずいぶんと株式投資に対して柔軟になったと私は感じました。それと同時に、自粛中に耐えている中で、前向きに行動をしている人もある程度いたことに少し驚きました。

マスクを着けて株価ボードを見つめる女性※写真はイメージです

実態経済と株式市場の乖離かいりが気になり、「ブラックスワン」(極めてまれながらも想定外の事態が発生して大暴落を引き起こす)の可能性には最後に言及しますが、現状は各国が金融緩和を行い、大量のマネーが買い場を探しているのは間違いありません。日銀は今年3月に、ETFの買い入れ上限額を年間6兆円から12兆円に拡大しています。この買い入れ額の拡大で1回あたり1200億円前後のETF買いが株式市場に流入しており、相場の下支え役を果たしています。