対日スローガンを掲げ韓国総選挙で圧勝

4月15日に行われた韓国の国会議員選挙(総選挙)は、文在寅大統領が率いる与党「共に民主党」と「共に市民党」が過半数を獲得して圧勝するという結果に終わった。与党が掲げた「親日賞賛禁止法」や「100年親日清算」などの反日政策・スローガンが国民に受け入れられたことに加え、新型コロナウイルスの抑え込みが功を奏した形だ。文政権にとっては幸先の良い2期目に突入するかと思われたが、早速「ベトナム戦争での民間人大虐殺に対する戦後補償」という難題が突きつけられている。

ベトナム戦争での民間人大虐殺で初の国家賠償請求

総選挙から6日後の4月21日、べトナム人女性のグエン・ティ・タンさん(60)が、ベトナム戦争に派遣された韓国軍による民間人虐殺に関して、加害責任があると約3000万ウォン(約262万円)の損害賠償を求めて韓国政府を提訴した。ベトナムの民間人虐殺に関連して韓国政府が訴えられた初のケースとなる。

タンさんは1968年2月、8歳のときにベトナム中部クアンナム省のフォンニ村で韓国軍から銃撃を受けて左脇腹に重傷を負い、病院に入院。村では母や姉など家族5人を含めた70人以上の命が奪われ、タンさん自身も後遺症が残っているとして損害賠償請求訴訟をソウル中央地裁に起こしたのだ。