位置情報ゲームに決済機能を追加
スイスを拠点とするブロックチェーン開発企業ジェルリダ(Jelurida)の技術を採用したAR(拡張現実)ゲーム「Triffic」は、決済アプリの「GPS Pay」を統合したことを発表した。Triffic、GPS Payは共に、シンガポールを拠点とするCoinerz Groupが開発するプロジェクト。
GPS Pay統合により、Trifficで獲得したゲーム内報酬をGPS Payで仮想通貨に変換、商品やサービスの決済に利用できるようになるという。
ローカルな経済活動をゲームで促進
Trifficでは、「The Triffic Map」と呼ばれる拡張現実(AR)の仮想フィールドが、現実世界の地図に重ねて表示される。ユーザーは、アプリ内の地図を利用して現実世界を歩き回り、ARで表示されるビーコンと呼ばれる位置情報発信源を見つける。
このビーコンは、いわば「宝箱」のような役割を持っており、ビーコンの種類に応じた報酬が得られる仕組みだ。報酬の中には、ゲーム内で利用される仮想通貨「GPS トークン」を付与するものもある。
ゲーム内の土地は62,500㎡(およそ東京ドーム1.3個分)ごとに分割されている。交通量の多い土地を保有すると、より多くの収入を仮想通貨の形で得られる仕組みになっているという。
また、土地の所有権をユーザーが獲得することもできる。所有権はNFTとして、Ardor chain(以下、アーダーブロックチェーン)のチャイルドチェーンであるGPS Token Blockchainに記録される。
土地を売買する際は、このNFTをユーザー間で取引する。
また、プレイヤーはビーコンと呼ばれるスポットを訪れることで報酬を得ることが出来る。ビーコンは店を持つ企業などが独自に設置し、現実に店を訪れることを促進するためのインセンティブとしての機能も実装される予定だ。
Coinerz GroupのHenri Holm氏は、GPS PayとTrifficのサービスについて、次のように説明した。
今後のロードマップ
今後、Trifficでは、ユーザーがマイル(ゲーム内の報酬)をTriffic上の土地の購入に使用可能になることが2022年の1Qに予定されている。
GPS Pay側では、2022年の1QにNFTマーケットプレイスの公開を予定しているほか、特定地域でのみ使用できる、ローカル通貨の作成機能なども実装することを計画している。
またGPS Payでは、決済機能の他にもアーダーやIgnis(以下、イグニス)といった仮想通貨との交換機能や、Trifficの土地の売買を行うNFTマーケットプレイスも提供することを計画している。
アーダーエコシステム上でのNFT活用
アーダーエコシステムは、アーダーブロックチェーンとそのチャイルドチェーン(シャードチェーン)のひとつ、イグニスチェーンによって構成されている。イグニスチェーンは、複数あるチャイルドチェーンの中でもメインに使用されるチェーンだ。
イグニスチェーンは、チャイルドチェーンの中でも特に中心的な存在だ。アーダーブロックチェーンで利用できるトランザクションタイプと機能は、イグニスチェーンでも使用できる。
アカウントごとに特定の機能を付与できる機能はイグニスチェーンでしか利用できないが、すべてのチャイルドチェーンへイグニスチェーンはアクセスできるよういなっている。
イグニスチェーンはステートレス(状態の変化に関する情報を保持せずにセッションが行われること)なため軽量なコントラクト開発が可能で、サードパーティと安全に情報を共有できる仕組みとなっている。
また、イグニスチェーンには、NFT発行機能がデフォルト機能として組み込まれている。そのため、NFT開発を効率的に進められる点が特徴だ。
イグニス上でNFTを発行・利用するアプリケーションとしては、世界各地の伝説上の生き物をモチーフにしたカードを集めるコレクタブルブロックチェーンゲーム「Mythical Beings」や、NFTアートに特化したプラットフォーム「NFT Magic」などがある。
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