Bloqport、ビットコインの供給不足と需給面を考察

Blockchain
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ビットコイン供給を需要が上回る状況を分析

ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)について分析を行うBloqportが、指摘されるBTC供給量不足について、3つの点から考察した。

Bloqportによれば、BTCの高騰局面において、主要仮想通貨取引所に預け入れられたBTCの合計量は急速に減少していた。また、BTC供給量の内78%が過去12か月で非流動的になっていることから、実際の市場供給量は約1860万BTCと考えられるという。

取引所に預け入れられたBTC量の減少は、ユーザーが外部出金したことの反映と考えられる。

こうした動きは以前から観測されており、2020年12月22日時点で、ブロックチェーンデータ分析企業GlassnodeのRafael Schultze-Kraft CTO(最高技術責任者)が「20年1月以来、取引所のビットコイン供給数は約20%減少している」と述べた。通常、個人ウォレットから取引所への入金は売却を目的とした売りシグナルで、その反対は長期保有を示唆するものと考えられる。

グレースケール投資信託の大量購入

次に、Bloqportは、機関投資家向けに仮想通貨投資信託を提供するGrayScale(グレースケール)社の動向に注目。グレースケールは、市場に出回る1日あたりのBTC供給量を上回る量を購入することがあると試算した。

赤い線は、1日あたりの供給率で、昨年5月の半減期後は約900BTC。青い線は、グレースケールの1日あたりの平均購入数を表している。

グレースケールの購入量は一定しているわけではないが、グラフを見ると特に2020年5月のBTC半減期以降、平均して同社の購入量が新たに採掘・供給されるBTC量を上回っている。

グレースケールは、半年ごとに保管していた資産のロックアップを解除する関係で、昨年12月21日に新規顧客の募集を一時停止していたが、2021年1月になってから募集を再開した。

グレースケールのビットコイン投資信託(GBTC)の運用資産残高は1月12日現在で約210億ドル(約2兆円)に達している。

金融緩和政策の影響

さらに、Bloqportは、新型コロナ対策として行っている各国の金融緩和政策についても言及した。

連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行、イングランド銀行の総バランスシート資産は、2019年末の約36%から、各国の総GDPの54.3%に達している。

新型コロナの感染拡大状況から、2021年にはさらなるマネーの増刷が予期される。

このことからBloqportは、供給よりも需要が上回り、ビットコイン価格が上昇する可能性があると結論付けた。

Bloqportの見積もりでは、ビットコインの市場供給量は1860万と限られており、一方でこれを購入するためのドル、ユーロ、ポンド、円など法定通貨は、金融緩和で過剰供給されている。

昨年11月には、仮想通貨投資ファンドPantera Capitalが、PayPalとCashAppといったサービスの購入量がビットコインの新規採掘量を上回っているとの試算結果を発表している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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