フィデリティの新たな施策
世界的大手金融機関フィデリティ傘下の仮想通貨関連企業Fidelity Digital Assets(FDA)が貸付サービスのBlockFiと提携し、ビットコインを担保資産とした融資サービスを提供することを発表した。
新たな融資サービスの主なターゲットは、ヘッジファンドや採掘業者、OTCデスクなどの企業や機関投資家だ。株式の証券担保ローンに近いサービス設計で、ビットコインを売らずに資金を融資してもらうことができるメリットがある。
FDAの公式発表によると、同社のカストディサービスを利用する機関クライアントに対し、預けているビットコインをBlockFiに送金することなく、FDAのプラットフォーム上で融資する仕組みを整える。融資を行うするのは、BlockFiであるため、BlockFiの口座は別途必要になるとしている。
融資条件の設定については、総資産有利子負債比率(ローン・トゥー・バリュー)は60%で、600ドルを借りるためには、1,000ドル相当するビットコインを担保として預ける必要がある。BlockFiのZac Prince CEOは、「基本設定は、60%だが、より規模の大きいクライアントでは比率を調整することも検討中だ」と説明した。
機関投資家の流動性を高める
機関投資家による仮想通貨市場の参入は、規模を拡大している。フィデリティの直近の調査によると、調査に応じた機関投資家の36%は実際、仮想通貨に投資しており、60%が仮想通貨をポートフォリオに入れることに対して前向きな姿勢を見せている。
FDAはBlockFiとの提携が、ビットコインの長期的可能性を見込む機関投資家に現金の流動性を提供する一つのソリューションになると説明。機関投資家はより総合的な仮想通貨関連ソリューションを求めているとして、今後の投資規模がより拡大を後押しする可能性に期待感を示している。
参考:公式発表
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