仮想通貨の購入機能や取引提供へ
アフリカのフィンテック系スタートアップChipper Cash社が3000万ドル(約30億円)の資金調達・シリーズBを行い、アマゾン社ジェフ・ベゾスCEOの個人VCファンド「Bezos Expeditions」らが参加したことがわかった。
シリーズBは、シード、シリーズAに続く、資金調達プロセスの3段階目。Chipper Cash社は今回調達した資金で、仮想通貨の購入サービスや株商品への投資などを提供していく方針だ。
2018年に設立した同社はアフリカ大陸の7カ国にモバイルベースのP2P決済サービスを提供するほか、事業者向けのプロダクト「Chipper Checkout」を提供。ユーザーも300万を超えている他、日間の平均トランザクション量も8万、2020年6月には月間の送金総額が1億ドルを突破するなど成長性が伺える。
共同設立者のHam Serunjogi氏は、Techcrunch社に対して以前から仮想通貨(暗号資産)の購入に対するユーザーの要望があったと述べ、今後仮想通貨のトレード機能も提供していく模様だ。
同社のシリーズBの資金調達に参加したベゾス氏の個人VCファンドは、これまでにもアフリカのテック系スタートアップに出資を行ってきた。また他にも仮想通貨リブラの運営組織である「リブラ協会」の創設メンバーの1つであるRibbit Capital社も出資企業となっている。
ポテンシャル秘めるアフリカ市場
仮想通貨の利用は自国通貨がハイパーインフレなどで機能していない国々や非銀行利用層が多い発展途上国で支払いの手段として支持を集めており、アフリカ各国の市場のポテンシャルがここ数年ベンチャーキャピタルなどから着目されている。ナイジェリアを拠点する仮想通貨取引所Yellow Cardは、今年8月に150万ドルの調達していた。
日本やアメリカをはじめとする先進国の投資家から「価値の保存」手段を伴うデジタル・ゴールドとしてみられつつあるビットコイン。アフリカ大陸でもさまざまなユースケースが台頭しはじめている。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用