今週の相場の動きは
ビットコインは今週13日、日本円建170万円台に乗った。米ドル建で昨日16,000ドルを突破するなど、BTC市場では連日の年初来高値の更新が続いている。
各指標の騰落率一覧
11/13(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
11/7〜11/13のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週(13日正午時点)のビットコイン(BTC)対円相場は先週に引き続き堅調に推移し、12日終値は2018年1月13日ぶりに171万円台に乗せた。
週央までの相場は、概ね160万円の踊り場で推移。9日に発表された米ファイザーのコロナワクチンの朗報を受け、初動で踊り場を抜け出した相場だったが、この日は安全資産売りも加速し金(ゴールド)相場が急反落。米国債も売られ、名目・実質金利上昇がドル需要を生み、BTC相場の重石に。
しかし、この日は安全資産でもある円が対ドルで強く売られたことで、BTCの対円相場は踊り場にとどまり、下げ幅は対ドル相場と比較して限定的となった。
ここ数ヶ月の外為市場の動きからすれば、今週はBTCにとって逆境だったわけだが、その後もハッシュレートの回復やドラッケンミラー氏がBTC保有を明らかにしたことなど、独自の強材料に支えられ相場は安値を切り上げ、相場は持ち合い上放れに成功(第1図)。
その後、対ドルで16000ドルや16200ドルといった節目の水準が相場のレジスタンスとなる場面もあったが、バイナンスの米国事業拡大やペイパルの暗号資産(仮想通貨)売買サービス開始なども材料視され、170万円台奪回に至った。
相場は過去に滞空時間が短かった「真空地帯」の中を上昇し続け、ついに170万円台突入となった(第2図)。引き続き、先週指摘したような天井のボラティリティーパターンは出現しておらず、上昇余地はありそうだが、この価格帯ではFOMOで相場が走るシナリオにも注意しておきたい。
対ドルでは16000ドルを終値で奪回しており、この先で目星い上値目途は、18年1月高値(17174ドル≒180万円)と過去最高値(19891ドル≒209万円)の二つほどだ。しっかりと値固めをしながら足元の基調を保って欲しいところだが、しっかりとボラティリティーの水準や日足の値幅を監視しながら見守りたい。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用