ETCラボの対策とは
仮想通貨イーサリアムクラシック(ETC)の開発サポート団体ETC Labsが先日の51%攻撃を受け、同ネットワークのセキュリティ強化対策を講じている。複数ステージの戦略を今後数週間に渡ってコミュニティの合意形成によって実施するという。
ETCのブロックチェーンは8月1日に「51%攻撃」を受けて、仮想通貨取引所OKExのユーザーに関連する資金の計807,260 ETC(当時580万ドル相当)が攻撃者によって不正に取得された。
ETC Labsはセキュリティの脆弱性に対し、改善案のロードマップを公開。今後より多くのリソースをセキュリティの強化に充てるとした上で、主な対策法を数点上げた。
- 即時攻撃防止
- 長期的改善策:①攻撃耐性の強化、②マイニングアルゴリズムの変更
これらの提案の実施にあたり、まず実行するべきかどうかを決める投票を8月中に実施、コミュニティに承認されれば、9月より順番に実装する。すべての改善案の実施は2021年1月を目処に終了するという。
対策法の具体内容
上述の対策法の中、特に「即時攻撃防止」において、即座にネットワークへの攻撃を防止するために、「防衛マイニング」という仕組みを導入。この仕組みとは、マイナーとマイニングプールの協力によって、緊急時にハッシュレートが増加されることができるようになる。ここでは、仮想通貨取引所、ネットワークモニター、およびETCコア開発チームが開発するファイナリティ仲裁システムの連携をもとに、チェーンの再編成(リオーグ)を阻止することを目指すという。
長期的に、ネットワークのチェックポイントを導入するか、または現在のマイニングアルゴリズムを完全に変更するかと提案。SHA3とRandomXは今回提案されたオルタナティブなマイニングアルゴリズムだ。
ETC Labsは、既存のマイニングアルゴリズムEthashがイーサリアムクラシックのネットワークに合ったアルゴリズムではなく、新たなアルゴリズムに変更すれば、「マイノリティネットワークにおけるPoW型ブロックチェーンを主導する立ち位置になれる公算が高い」と主張した。
ETC Labsの今回の提案はOKExの上場廃止検討を受けた動きと見られる。攻撃によって取られた顧客のETCはOKEx側が全額補償を実施したが、ETCコミュニティがネットワークのセキュリティを改善しない限り、ETCを上場廃止する可能性があると、警告していた。
参考:ETC Labs
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