テック株のように振舞っていたビットコイン、成熟期で「価値の保存手段」へ=CoinSharesレポート

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ビットコインの性質について分析

ビットコインは他の資産クラスには当てはまらず、「価値の保存手段」としての地位を固めつつある。仮想通貨の分析・投資などを行うCoinSharesがビットコイン(BTC)に関するる新たなレポートを発表、ビットコイン性質について分析した。

レポートではビットコインについて、どのような資産クラスに該当するのかについての分析から、ビットコインをポートフォリオに加えるべきかについて分析した。

投資ストラテジストのJames Butterfilらはレポートの冒頭で、現在ののデジタルアセットが直面する「持続可能な投資」なのかとの批判について、かつてコモディティ(商品先物)も同様の批判にさらされてきたと指摘する。

その上で、ビットコインもサトシ・ナカモトによって決済システムとして誕生しながら、コモディティが辿ってきたような「金融化」のプロセスを免れないとみる。

ビットコインの性質

レポートではビットコインの性質についても言及。ビットコインは、その成長段階では米国のGAFAに代表されるテック株のように振舞っていると述べられた。ビットコインとテック企業は、共にまだ世間に受け入れらないような革新性を有しており、その可能性をモノにできれば企業価値は計り知れないものになる。

一方、モノにできなければ、その価値がゼロに等しくなる恐れも考えられる。Butterfillによれば、このリスクは成熟期への移行とともに薄れていくという。

成長段階の次となる「成熟段階」では、ビットコインは頑健性を増し、価値の保存手段としての意味合いを一層より強くしていく。

この段階では投資家のビットコインに対する見方も変化していくとされ、レポートでは、ビットコインを一年以上保有している投資家の割合は、2012年の約30%から今や60%にまで上昇していることが明らかにされた。

出典:CoinShares

Butterfillらは、このトレンドが時価総額の増大やボラティリティの低下とともに今後も続いていくと考えている。また、この考えをサポートするものとしてビットコインのボラティリティが、安全資産の代表格である金(ゴールド)と同じような推移を見せているとする。

出典:CoinShares

今年3月のコロナショックの余波により、すべての金融資産と同様にビットコインが大幅下落したように、金融化の進展によってビットコインは金融システムからの影響をますます受けるようになっていくことは避けがたい。

その一方で、並行して価値の保存手段としての利用も増加することが推測されるとレポートは述べている。

その特徴(希少性、流動性、高い持続性)から投資家がますますそれ(ビットコイン)を価値の保存手段として利用することが示唆されている。

ビットコインをポートフォリオに加えるには

レポートでは、ビットコインをポートフォリオの中でいかに取り扱うべきかについても分析が行われている。

結論として、少量のビットコインは投資効率をしめすシャープレシオと、ポートフォリオの多様化という2点において大きなプラスの影響を与えるとするという結果が得られたという。

具体的には、ビットコインがポートフォリオのボラティリティやシャープレシオに与える影響を分析したところ、ビットコインはポートフォリオにおいて10%以下の少ない割り当てでも、大きな影響をもたらすことが示唆されている。

出典:CoinShares

この結果について、レポートでは以下のように締めくくられている。

これらの利点を考えると、ビットコインは、ポートフォリオの管理者を悩ませている、利用できる分散投資の手段における現在あるギャップを埋めることに大変適しているかもしれない。

参考:CoinShares

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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