XRPのP2P決済プラットフォーム誕生
仮想通貨XRPを用いた多機能プラットフォームを、リップル社の製品担当ディレクターCraig DeWittが発表した。
Introducing the beta for a new P2P Payments Platform on #xrp! https://t.co/SdLqbac6ue is now live.
Check out the new browser extension! https://t.co/fcxgEppF1j
— Craig DeWitt (@CryptoCwby) July 25, 2020
XRPを使った、新しいP2P決済プラットフォーム「Payburner」が始動した(β版)。
XRPのウォレットであり、Googleクローム、Braveブラウザで利用可能、Firefoxでも間もなく追加される。携帯端末ではiOS、Androidのどちらもサポートする。
グローバルなピアツーピア決済、ウェブサイトへの支払いや寄付、アバターやPayID、表示名を含むユーザープロフィールの生成とユーザー検索など多くの機能を有しているという。
XRP)は、銀行間の国際送金を仲介するブリッジ通貨として捉えられる傾向が強かったが、新たなプラットフォームの導入で、P2P取引の分野の拡大を狙う。
プレスリリースによると、主な機能は以下の通りだ。
PayIDで簡単送金、支払請求も可能
発表によると、Payburner内にグローバルな送受金プロセスをシンプルにする国際的な送金ID「PayID」を実装することで、PayIDアドレスを持つ誰にでも非常に簡単に支払いを行えるようになった。
Payburnerユーザーは、登録時に自分のPayIDを設定可能、このIDを他のユーザーと共有すると、ウォレットからXRPを簡単に送ることができる。
上のように画面で送金先のPayIDとXRPの金額を入力して、送信をクリックすればよい。
また、他のPayburnerユーザーに支払いを請求するリクエスト機能もある。将来的に、このリクエスト機能を拡張して、Payburnerユーザーを超えた、すべてのPayIDを対象とすることが出来るようにするという。送金リクエスト画面では、請求額やメッセージ(請求金額の内訳など)を入力する。
ユーザー検索機能も設置、Twitterなどへも拡大予定
プラグインメニューの「ネットワーク」オプションを使用すると、Payburnerのユーザーを検索可能。今後、この機能は拡張され、PayIDを使用してTwitterなどのアカウントも対象範囲とする予定だという。
現時点では、Payburnerユーザー同士がXRP送金や送金リクエストを相互に行える。
ウェブサイトにXRP決済機能を付与
任意のウェブサイトに、簡単にXRP決済機能を設置することも可能。Eコマースの販売者が、Payburnerアカウントを持っていれば、Payburnerユーザー以外のXRPアドレスからも支払いを受け付けられる。
リップル社は、人気のブログソフトウェアWordPressでPayburnerプラグインを使えるようにしており、WordPressによる約4.5億のWebサイトで利用できるようになったと述べた。
リップルの事業を持続可能にするために、Eコマース決済では、売り手に1%の手数料が請求されるという。ピアツーピアの決済やリクエスト送信に料金はかからない。
パスワードはユーザーが管理
セキュリテイについては、ノンカストディ・ウォレットであるため、ユーザーがjsonアカウントファイルを安全に保存管理することになる。Payburner側ではユーザーのパスワードにアクセスすることは出来ないため、もしユーザーがアカウントの詳細を紛失した場合、セーフティネットは今のところ設けられていないという。
ブリッジ通貨を超えていく可能性
先月、リップル社CTOのDavid Schwartzは、先月XRPがブリッジ通貨としてだけではなく、ユーザー間で取引できる決済資産としても便利であることを指摘していた。
リップル社投資部門Xpringから出資を受けた企業XRP Labs社はXRP Ledgerを基盤とした「XRPTipBot」を開発している。ユーザーがXRPを送受信することができるサービスでreddit 、Twitter 、Discordですでに導入されている。
今回の、ピアツーピア送金に重点を置いた多機能プラットフォームの誕生でさらに、XRPがブリッジ通貨という位置を超えて、ユーザー間取引に使用されていく土台が用意されたと言えそうだ。
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