VISAがブロックチェーンエンジニアを募集
金融・決済大手のVISAがブロックチェーンエンジニアを募集していることが分かった。求人情報の中では仮想通貨リップル、イーサリアム、ビットコインなどのブロックチェーン・分散型台帳に関わる業務に携わったことがある者が理想的であると明記された。
イーサリアムとブロックチェーンアーキテクチャで経験を積んだ開発者を募集。候補者は、分散型アプリケーションを開発・リリースしたことがあり、リップル、R3、イーサリアムやビットコインのブロックチェーン、Solidityの作業経験があることが望ましい。
Solidityは、イーサリアムのスマートコントラクト開発の言語。一方、R3のCordaは、民間企業向けのオープンソースブロックチェーンプロジェクトだ。
表記順に意図があるかは定かではないが、リップルやR3が表記順で先に位置していることに注目する声もある。
ブロックチェーンエンジニアの募集
本求人は、VISAのコマーシャル決済部門での職位であり、このグループは企業間(B2B)決済イノベーションの管理や、グローバルな非カードベースの決済イノベーションなどについて取り組んでいる。
チームが重点的に取り組んでいる5つの優先分野は以下の通り。
- ブロックチェーンベースのクロスボーダー決済プラットフォーム
- 近時決済
- 企業のデジタルIDを作成するためのエンタープライズIDスタンピング
- Go-langでのHyperledgerチェーンコード開発
- 分析とデータの可視化
企業間(B2B)の決済をブロックチェーンで
候補者の具体的な仕事内容としては、B2Bでブロックチェーン技術と分散型台帳を活用した新しい決済レールを構築することだという。
VISAは2019年にブロックチェーン技術による国際決済ネットワーク「Visa B2B Connect」を本格的にローンチしており、これに関わる職務と見られる。コルレス銀行ネットワークの代替手段となるもので、Linuxのブロックチェーン「Hyperledger Fabric」を採用している。
すべてをブロックチェーン技術で構築しているわけではないが、送金手数料や時間効率化の部分で、分散台帳技術を活用している。
銀行間のダイレクトな取引を可能にすることで、従来の国際決済プロセスの煩雑さを解決しようとするものだ。
イーサリアムなどの作業経験を有するエンジニアを募集することは、VISAが仮想通貨を決済システムに組み込もうとする動きを予期させるものだが、実際にプロジェクトが仮想通貨ブロックチェーンを活用するのかどうかは明かされていない。
「VISA仮想通貨チーム」立ち上げも
VISAは、2019年に「VISA仮想通貨チーム(VISA Crypto Team)」を構築するとして求人募集していた。
その際に候補者は仮想通貨エコシステム内で製品戦略を実行し、VISAリサーチチームと密接に協力してフィンテック業界に新製品を提供すること、さらに仮想通貨がこれからの個人の支払いにどのような影響を与える可能性があるか、深く理解することが求められていた。
VISAは昨年11月に米国で中央銀行向け「デジタル法定通貨」の特許を申請しており、CBDCへ適用できるものとして考案されているようだ。申請書類では「イーサリアム」という言葉が頻出し、この製品で使われる可能性もある。
VISAは現在、仮想通貨分野の事業を本格的に展開させるスタート地点にいるようにみえる。
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