RenrenBitの創設者が拘束
中国の大手仮想通貨OTC・貸付プラットフォームRenrenBitの共同創設者Zhao Dongが、警察に身柄を拘束されたことが報じられた。身柄の拘束は事情聴取が目的とされているが、中国の警察当局による仮想通貨OTC取引に関わる資金洗浄の捜査を強化する方針で動いていることがわかった。
Zhao Dongは中国のビットコイン・仮想通貨先駆者として知られる人物で、仮想通貨取引所Bitfinexの投資家。
Dongの身柄拘束に関する報道は最初にWeChatのSNSに掲載され、後に各主要中国ブロックチェーンメディアが追って報じている。当初は「誤報道」と、中国事情通のMatthew Grahamなどの有識者に指摘されていたが、情報の開示状況とともに、ステータスは「確率が高い」段階にある。
Seems confirmed that 赵东 (RenrenBit CEO Zhao Dong) has in fact been detained by Hangzhou police. It’s extremely important to be clear that 1) detained is NOT the same as arrested 2) it does not necessarily follow that this is in relation to RenrenBit’s business operations. https://t.co/zna63tEzyn
— Matthew Graham (@mattysino) July 2, 2020
現時点では、RenrenBitのプラットフォームおよび従業員は影響は見られていない。RenrenBitはプレスリリース で、「DongはOTCの日常運営に関わっておらず、6月から日本から帰国していた。現在は、警察当局において資金洗浄および不正行為の捜査に協力している」と説明した。
中国で加速する資金洗浄捜査
Zhao Dongの拘束事情に詳しい匿名人物が海外メディアCoinDeskに話した内容によると、資金洗浄に関する捜査の一環としてDongだけでなく、そのほかにも複数の仮想通貨OTCの関係者や業界関係者も事情聴取に行かされている。
特に、中国政府が全面的に強化している資金洗浄取り締まりの一環で、警察当局は6月中旬以降、仮想通貨OTC取引に対する捜査を強化しており、本格的な捜査が開始されていると見られる。
中国で報じられる「拘束」は、日本でいう「逮捕」とは異なり、中国の警察が使う一般的な事情聴取の手法で、OTCの実業務への影響は現時点で拡大しないとの見方が強いという。
資金洗浄に関する取り締まり
6月上旬、広東省当局などは資金洗浄に関わったとする口座について、一部の仮想通貨OTCトレーダーの銀行口座やアリペイ口座を凍結されたことが明らかになった。当時、中国でOTCデスクを運営するSun Xiaoxiaoが、自分自身の銀行口座が凍結されたことを明かし、「私にだけの出来事ではなく、他にも数千人の口座は影響されている」と説明していた。
資金洗浄の事件の概要は明らかにされていないが、資金の一部が中国の水面下で広がるOTC取引に流れ、ビットコイン取引を行った可能性のある口座が凍結の対象となったとの指摘が行われている。
OTCが禁止されたわけではない
一部では中国のOTC取引にも仮想通貨禁止令の影響が及ぶとの警戒感が出ていたが、後に中国商人銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国工商銀行といった大手銀行や、Alipayは公式で合法的な口座は凍結しないと発表。OTCの取引に関与した口座に限定した凍結措置であることが明らかになっている。
操作・経路が合法であり、仮想通貨の由来も合法で、Webページが銀行カードサービスをサポートしており、マネーロンダリングや詐欺その他の違法性がない場合、銀行はユーザーの資金を積極的に凍結することはない。
補足:中国では2017年より取引所での仮想通貨取引が政府の方針で禁止されているが、「人民元⇨仮想通貨のOTCルート」を主要なアクセス手段(取引手段)として利用している。
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