今週の相場の動きは
6/19(金)〜6/26日(金)の株式、仮想通貨などの各市場は、米国における新型コロナウイルス第二波懸念の強まりを受け、地合い悪化が顕著に。
安全資産のゴールドが直近最高値を更新するなど急伸した一方、米ダウ平均株価とビットコインの騰落率(19〜26日)は前週比マイナスに振れた。BTCの月初来騰落率は、-3.08%安に沈んでいる。(BTCは、27,28日にかけさらに続落)
今回から、仮想通貨取引所bitbankアナリストによる週間ビットコイン(BTC)市場レポートを合わせてお届けする。
各指標の騰落率一覧
26日(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来の騰落率
年初来の騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
6/19〜6/26のBTCチャート
6/28のBTCチャート
BTCは週末にかけて続落し、一時8800ドル(95万円)台まで急落している。
bitbankアナリスト分析
暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankアナリスト「長谷川友哉」氏に寄稿いただいた週間市況分析(19〜26日分)はこちら。
週明けより金相場の上昇に連れ高となり、約1週間ぶりの高値に浮上したビットコインだったが、手掛かり難の中買いは続かず、24日にはマイナーの送金が相場の冷や水となり反落。この日は米株の急落も重なり、相場は週明けの上げ幅を掻き消した。
翌25日も東京市場時間に一段と安くなる場面もあったが、オプションの建玉が集中する9000ドル周辺で反発。前日終値(9285ドル)付近まで値を戻した後は揉み合う展開が続いている。
26日は、蘭Deribitで約10億ドル規模のBTCオプションカットを控えており、イベント通過までは建玉が集中する9000ドルと9250ドルでの間で攻防が過熱しそうだ。イベント通過後はこうしたオプション市場の影響が薄れ、相場が動きやすくなると指摘されるが、やはり目先で目星い材料がなく、どちらに動くか様子見が続いてもおかしくないと見ている。
実需筋の利確や株価の軟化など懸念材料もある一方、DeFi需要の伸びやビットコインと比較して収益性の高いアルトコインのマイニングに注力するマイナーもおり、アルトコイン主導で市場が支えられる可能性もある。
また、7月1日に予定されるビットコインのマイニングディフィカルティー調整も、-2%(cryptothis.com)〜+3%(btc.com)の予想となっており、どちらに傾いても市場に大きな影響はなさそうだ。
7月2日発表予定の「米雇用統計」は注目に値する。
前回の「非農業部門雇用者数」は市場の予想を大幅に上回りプラス圏につけ、経済活動の急速な回復へ市場の期待が膨らんだ。しかし、これにより逃避需要が後退するとビットコイン相場は上値を重くし、10,000ドル乗せに失敗していた。
今回の雇用統計が市場の予想を下回れば、雇用市場の回復速度の頭打ちを示唆することともなり、ビットコインには追い風となるか。
関連:bitbank_markets公式Twitetr
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