仮想通貨COMPが上場直後から急落、市場では初期投資家の売り圧懸念も

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COMPがコインベースに上場

DeFiプロトコルCompoundが発行するガバナンストークンCOMPは、24日1時40分ごろより、コインベースProで取引が開始された。しかし、短期間で急騰するなどすでに過熱感が高まっていたことから、上場開始直後から大量の売り注文が殺到した。

COMP価格は、コインベースProの取引開始前には取引所FTXで「345ドル」の値をつけていたが、上場15分で「246ドル」まで急落、前日比-30%近い下落幅となり、セルザファクト(事実売り)の様相を呈した。

出典:Coinbase Pro

COMPの市場流通数について、違和感を指摘する声もあがった。Compoundは、一般ユーザーによるICOで資金調達を行わず、COMPトークンを機関投資家(VCファンド等)に付与していた。COMPは、ガバナンスプロトコル上で一日のユーザーへの配布数が2880COMPに過ぎないため、機関投資家の売り圧と見る向きもある。

仮想通貨ファンドGalois Capitalが、etherscanで分析した内容によると、取引開始前から早期投資家による2000COMP(当時68万ドル)が入金された。「Bain Capital Venturesか、Coinbase Ventures」が投げ売りしたとの憶測も巡った。

また、投資家が所有する1つのアドレスには現在62,000COMPが残っているという。

Bain Capital Venturesや、Coinbase Ventures、Andreessen Horowitzなどは、2018年5月にシードラウンドで計820万ドルをCompoundに出資した。COMPのトークン分配計画によると、2,396,307COMPは株主に充てる。(開発チーム以外には、ロックアップ期間が設けられていない)

Galois Capitalは売り圧の可能性について、Bain Capital Ventures、あるいはCoinbase Venturesによるもので、それ以外の投資家ではないと見ている。

売り圧とする裏付けは、当時これらのCOMPトークンがガバナンス投票のためにロックアップされていなかった点からだ。COMPはプロトコル投票の権利をもたらすため、投票にあたってそれらのトークンをロックアップする仕組みとなっている。

マーケットメーカー説も

通常、コインベースProの上場プロセスとして、取引が正式に開始する前に、注文板による「流動性」を十分確保してから始めるのが通例であった。そのため、初期投資家によるものではなく、マーケットメーカーによる売りではないかとの論点も見られる。

DEXのDeversifiを運営するRoss Middletonは、「今回の売られたCOMPは、Compound側が流動性を提供するために、マーケットメーカーに貸し出したトークンに違いない」との見解を示した。

COMPは、6月10日にコインベースで「上場検討銘柄」が発表されたことを受け高騰。19日の上場発表、FTXのデリバティブ上場といったことが材料視され、24日の取引開始までに最大4.5倍以上の値上がりを記録していた。

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