ハッシュレートが年初来最低値を更新
ビットコインハッシュレートが下げ止まらずにいる。
blockchain.comのハッシュレートチャートで92EH/sまで下落した。チャート上で94EH/sを下回ったのは、2019年の年末以来初めて。ビットコインネットワークは20日に難易度を6%の易化で調整するも、ビットコインハッシュレートの回復には至っていない。
ビットコインのブロック生成時間は、12分から13分付近で推移。
Mempoolサイズは、67Mバイトと高水準を維持している。(2sat/vBのスパムアタックの可能性も浮上)
半減期を経て、マイナーのブロック承認報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減。利益があげられなくなった非効率なマイナーがマイニングの停止を余儀なくされている状況は、度々報じられてきた。
一方、半減期後の難易度調整で状況が改善するとの見方もあり、20日の難易度調整後の推移に期待感も示されたが、なぜマイニングハッシュレートの出戻りには至らなかったのか。
主な理由は、今回の難易度調整では、マイナーの収益性改善には至らなかったことが最も大きなポイントとなりそうだ。
難易度調整の仕組み
今回の難易度調整が、半減期後のマイナー状況改善とならなかった理由は、半減期後に徐々に進む適者生存競争のほかに、難易度調整の仕組みがある。
ビットコインの難易度調整は2016ブロックごと、約2週間の周期で実行される。
難易度の決定プロセスは、過去2016ブロックで実現したブロック生成時間を基準として、算出されるハッシュレートの推定値から次回2016ブロックの生成時間10分になるように調整される。
当時のビットコインハッシュレートは、半減期後に137.5 EH/s(半減期前)から94.80 EH/sまで約32%減となったが、半減期前にハッシュレートが上昇していた。
難易度調整タイミングでは、低いハッシュレートを記録していたが、半減期前のネットワーク状況を折り込み、平均ハッシュレートの実数値が高止まりした状態に至った。
実際、前回の難易度調整時から大幅なハッシュレートの下落は起きていない状況下で、次回10日後の難易度は「-6.30%」で調整を予定している。
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