音楽ジャンルの中でも特異的なメタルは、世界中にコアなファンを抱えるジャンルです。 だからこそ、アーティストとファンとの間に愛や絆が生まれやすく、トークンエコノミーと掛け合わせることで人々の思いを可視化できます。それを実現するのが、ラウドトークンエコノミーです。
ラウドトークンエコノミーをより多くの方に知ってもらいたいという目的から、ホワイトペーパー草案作成者である株式会社アヤナスの代表取締役・川本栄介と、暗号資産ブログ運営を行うママコイナー・Makiとで行った、ラウドトークンエコノミーの座談会のようすについてご紹介します。
ラウドトークンエコノミーとは
ファンとアーティストのみで成り立つ音楽本来の関係性をトークンエコノミーに取り込み、その中でもより二者間の関係が強く深い「メタル」に着目したのが、ラウドトークンエコノミーです。
LOUD(ラウド)というトークンの譲受を行い、ファンはアーティストへの応援・愛を可視化、アーティストはトークンを使ってバウンティというイベント・企画を開催したり、新しいコンテンツを作ったりという活動を行います。 この活動に伴うトークンの譲受はすべてブロックチェーンに記録され、ファンとアーティストの愛や絆、個人が行った活動の記録もすべてのユーザーに向けて可視化が可能です。
ファンとアーティスト二者間でのやり取りのみならず、ここにビジネスチャンスを見い出したスポンサーや企業も参加してトークンエコノミーの輪を広げ、メタル文化と経済圏の発展・貢献に繋げます。
ホワイトペーパー草案からの全リライト
Maki:今まで暗号資産やブロックチェーンはもともと強く興味があって記事を書いていましたが、トークンエコノミーとは切り離して考えていましたし、トークンエコノミーについては…正直なところあまり深く考えていませんでした(笑)
ただ、今回のラウドトークンエコノミーのホワイトペーパー草案を拝見して、暗号資産・ブロックチェーンに大きな希望を持っていた時のワクワク感がよみがえりました。
川本:いったんホワイトペーパーを作ったは良いものの、自分では硬い文章になってしまうため、より多くの方に読んでいただきたいという思いから、ライターとしても活動しているMakiさんとホワイトペーパー作りを行うことにしました。
ディスカッションを重ねながら草案を一からすべてリライトしましたが、少しずつトークンエコノミーについての理解度も深まり、とても良いものができたと思います。
疑問解決とともに溢れるワクワク感
Maki:ファンもアーティストもLOUDトークンを使う「目的」が明確なところがとても素晴らしいと思います、双方が同じ方向を向いて活動をしている一体感が得られそうですね。
川本:本来の音楽は歌い手となるアーティスト、聞き手となるファンという二者のみで成立するものです。
ただ、これまではどのファンがアーティストにどれくらいの貢献をしたかがわかりづらかった。それを可視化できるようにLOUDを使うため、すべての物事が正当に評価される仕組みになっています。
アーティスト側もより自分に貢献(応援)してくれるファンを選んでお礼をすることができますし、どうしてそのファンが選ばれたかという理由もすべてトランザクションとしてブロックチェーンに残されています。お互いにとって、LOUDを使うメリットがあるということですね。
Maki:好きなアーティストにLOUDを使えば使うほど貢献しているということですよね。とてもシンプルでわかりやすいと思いました。でも、それってお金を持っている人が有利になるのでは?と考えたのですが…。
川本:LOUDを獲得するために「バウンティ」という企画が開催されるのですが、その企画に参加して目標を達成すると、企画者からLOUDが送られます。バウンティの内容によってもらえるLOUDの量も違いますし、よりアーティストに貢献した内容であればあるほど多くのLOUDがもらえます。
つまり、お金を持っていない人でも「アーティストのために」という気持ちでバウンティに参加すればLOUDを獲得できますし、その記録はすべてブロックチェーンに残ります。 ちなみにこの企画者は、アーティストもファンもスポンサーも、誰でもなれますよ。
Maki:なるほど。バウンティに参加してたくさんのLOUDを獲得すれば、アーティスト側にも認知してもらえそうですね。今までのようにCDを大量に購入して握手会のチケットを買わなくても直接貢献できますし、ファンにとってこの上ないメリットだと思います。
川本:さらに、誰がどれくらい貢献活動をしたかがブロックチェーンに記録されているため、他のファンやアーティストなど第三者が知ることができるんです。
つまり、あの人はどうしてアーティストにいつも名前で呼ばれているのか、どうして知られているのかと思ったときに記録を見れば、コツコツと貢献してきたからなのかと納得できます。 こうした貢献度の高さを「ヒエラルキー」として、ラウドトークンエコノミーでは重要視しています。
Maki:ブロックチェーンならではですね。普段なら何かしらの癒着があるのかとか、お金にモノを言わせたのか、ありもしない噂が立てられてしまいそうです。 これならファンもアーティストも堂々とできますね。
川本:ファン同士のヒエラルキーは、これまでとても曖昧でした。ファンの中でもとりわけ有名な方はいると思うんですが、他のファンからするとなんで?と思われたり。 あとは、ファン同士でもそのアーティストへの入れ込み具合が違うことってありますよね。
Maki:周囲が引くくらい熱烈なファンの方もいれば、新しくファンになった方もいますよね。
川本:そうです。そのようにファンのレベルが違っていると話についていけなかったり、ファンの輪に入れなかったり、ぎすぎすした雰囲気になるかもしれません。 でも、ラウドトークンエコノミーならその人がこれまでに積み上げてきたトランザクションを見れば、どれくらいのファンのレベルなのかがすぐにわかるんです。
こうした信頼や貢献の積み重ねの「見える化」が、ラウドトークンエコノミーの大きな特徴なんです。
ラウドトークンエコノミーでできること、変わること
Maki:ラウドトークンエコノミーでは人々がLOUDというトークンを使ってさまざまなことができそうですが、LOUDを積極的に「使わざるを得ない」ところに希望を見い出せますね。 トークンの価値だけに注目するのではなくて、いかに人にトークンを使ったか、自分にトークンを使ってくれたかという、トークンに感情(気持ち)をプラスした動きがおもしろいと思いました。
川本:トークンの価値も重要ですが、多くの人はその価値を日本円などの法定通貨に当てはめて考えようとします。
そうではなく、お金というこれまでの概念をブロックチェーンとトークンエコノミーによって変えていけると思います。ITによってデジタル化されるのは情報だけでなく、ラウドトークンエコノミーのような世界で使われるデジタルなお金があっても良いわけです。 違う意識を持つことは簡単ではありませんが、普段我々が使っているお金について、今一度見直すきっかけになると考えています。
Maki:お金としての価値だけでなく、ファンもアーティストも「その人のために何かをした」という気持ちが伝わりますね。
川本:そうですね。すべてのやり取りがブロックチェーンに半永久的に記録されますから、たとえば駆け出しのアーティストを応援してブレイクするまで応援し続けた人も、すべての記録が残っているので「自分がアーティストを育てた」と言えるんです。
Maki:ブレイクしたら遠い存在になってしまったということ、ありますよね。そういう寂しさがなくなりますし、どこかで繋がっていると思えるのは嬉しいですね。
川本:応援してきた記録はトランザクションとして積み重なっていき、ブロックチェーンに残ります。アーティスト側はその事実を糧にさらに頑張れますし、ファン側も引き続き応援していけるんじゃないでしょうか。
ラウドトークンエコノミーが目指す未来
Maki:ラウドトークンエコノミーでできること、だいぶイメージできました。 あと、音楽はファンとアーティストという立場の人がいれば良いんだという、当たり前のことを再確認できました。
その人の音楽が好きだから応援したい、応援してくれるファンの声に応じたい。 シンプルだけど、ものすごく強いつながりですよね。
川本:そのつながりをトークンエコノミーに落とし込んで可視化するのが、ラウドトークンエコノミーです。
強いつながりだからこそ、そこではトークンが循環しやすい。まさにトークンエコノミー、トークンがやり取りされる経済圏を構築するのにぴったりな構想なんです。
Maki:あと、メタルに関する情報を発信しているメディアもラウドトークンエコノミーの構想に賛同してくださっているとか。
川本:そうです。メタルの情報を発信しているBURRN!オンラインや、これまで200以上のアーティストと関わってきた音楽プロデューサーの小杉茂氏も賛同してくださっています。
Maki:アーティストがラウドトークンエコノミーに参加する具体的な道筋ができあがっていますね。 メタルを舞台にしたラウドトークンエコノミーは、将来的にどうなるんでしょうか?
川本:まずはLOUDを循環させることを優先させます。ファンとアーティストの間でLOUDがやり取りされる仕組みを定着させれば、トークンの価値も高まっていくでしょう。
さらに、LOUDが循環する仕組みを見た外部の人、たとえば音楽関係の企業の方やスポンサーですね。この人たちがラウドトークンエコノミーに参加してくれれば、トークンエコノミーの輪はさらに大きくなり、バウンティの規模ややり取りされるLOUDの量も多くなります。 ですから、まずはファンとアーティストでLOUDを循環させる動きを定着させることが大切だと考えています。
Maki:トークン(暗号資産)を取引所に上場させるところを目標にしているプロジェクトも少なくありませんが、LOUDはどうでしょうか?
川本:将来的には他の法定通貨や暗号資産と交換できるようにとも考えています。 ただ、最初からそのようには目指していません。LOUDの価値は法定通貨をベースにしたものではないからです。
Maki:お金だけでは表現できないプラスアルファの価値がありますもんね。
川本:そうですね、ただ将来的にはLOUDでアーティストが生計を立てられるようになればとも思っているので、食いつなげるくらいにはなればと(笑)
おわりに
ファンとアーティストという、持ちつ持たれつの強力な利害関係にトークンを組み込むことで、トークンを循環させる仕組みを構築したラウドトークンエコノミー。
メタルを舞台にしたトークンエコノミーであることから、メタル業界を担う雑誌「BURRN!」のメディア「BURRN!オンライン」ともタッグを組み、ラウドに参加するアーティストやファンの活動を世に発信していくことも決まっています。
人々のメタルに対する愛や絆、これらが決して理想論ではなく実現・可視化できるラウドトークンエコノミーについて、ぜひホームページをご覧ください。