欧州初 ベルギー議員、22年の給与全額をビットコインで受け取りへ

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欧州初のBTC給与受け取り宣言

ベルギーのブリュッセル地域のクリストフ・デ・ブケラー議員は27日、2022年の給与全額を、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)で受け取ると発表した。

ブケラー議員は、米ニューヨークの新市長にインスパイアされたと明かし、「私はブリュッセルをブロックチェーン、仮想通貨、Web3.0を先導する都市にしたい」とツイートしている。

Web3.0とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

 

ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は、給与の最初の3回を仮想通貨で受け取ると宣言し、先日ビットコインとイーサリアム(ETH)で実際に初任給を受け取っている。

 

ブケラー議員はこれより一歩踏み出し、一年間の給料をすべて仮想通貨で受け取る計画だ。同議員は、声明で次のように述べた。

ブリュッセルやベルギーが、仮想通貨業界の最前線に立つには、今からでも遅くはないだろう。ベルギーには、このセクターで、すでに素晴らしい企業が存在しているが、そろそろ真の仮想通貨エコシステムを構築する時期だ。

3つの目的

ブケラー議員は、仮想通貨で給料を受け取ることの目的として、以下の3点を挙げた。

  • 仮想通貨への信頼を示すこと
  • ブロックチェーンへの関心を呼び起こすこと
  • 通貨システムへの考察を促すこと

まず一点目としてブケラー議員は、仮想通貨セクターへの信頼を表現することを挙げた。仮想通貨という、新たな価値の保存手段に手持ち資金の一部を賢く投資することで、個人的な経済生活のバランスを取れることを、実際の行動で示したいという姿勢だ。

二点目として、欧州の経済界や政治家に、ブロックチェーンに関心を持つよう呼びかけることがあるという。

仮想通貨には、透明性や、仲介者を不要にする特徴など様々な利点があることを指摘。アメリカやアジアの金融大手が大量に投資している中で、欧州の意思決定者も真剣に関心を持つべきだとしている。

三点目としては、現在の通貨システムについての考察を促すことだとした。インフレーションやマネーの供給量増加、デジタルユーロなど様々な課題が浮上しているが、民主的に議論されることは少ないという。ブケラー議員は、こうした問題についても公の議論として取り上げていく契機を作りたいとしている。

ブケラー議員は、ブロックチェーン起業家と提携して「ブリュッセル・ブロックチェーン・カンファレンス」という業界団体の設立にも取り組む意向だ。業界と政治・経済界を橋渡しして、ブロックチェーンの環境を育成していくことが目的であるという。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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