TAOTAOとSBI VCトレードが合併
SBIホールディングスの100%子会社であるTaoTao株式会社とSBI VCトレード株式会社は1日、取締役会において、2021年12月1日(予定)に合併することを決議したと発表した。これにより、TaoTao株式会社を存続会社とする吸収合併が行われる。
なお、各社が提供する暗号資産(仮想通貨)取引所TAOTAOおよびSBI VCトレードは、合併後も継続してサービスを提供し、現在口座を保有する会社が提供する取引サービスは継続して利用可能としている。
合併の目的
両社の合併の目的について、プレスリリースで以下のように説明している。
このたび両社は、成長著しい暗号資産分野におけるグループ内経営資源を集中させることで、当該事業をより効率的に運営できる管理体制や、財務基盤の強化を図るとともに、暗号資産現物・OTCデリバティブを併せ持ったフルラインナップサービスを効果的に提供可能な体制の構築を進めるべく、合併を行うことを決定いたしました。
合併により業務効率化や収益力強化を推進し、両社の知見やノウハウを最大限活用することにより顧客の利便性向上や新たなサービスの提供に努めるとした。
ここで言及されている「フルラインナップサービス」の詳細については、明らかにされていない。
OTCデリバティブとは
OTCデリバティブとは、各種取引所を介さずに証券会社などの金融機関との相対で取引される金融派生商品のこと。例として、有価証券や先物取引、オプション取引などが挙げられる。
TaoTaoとSBI VCトレードについて
TaoTaoは元々、ヤフーグループであるZコーポレーションの完全子会社であったが、2020年10月に発行済全株式をSBIリクイディティ・マーケット株式会社に譲渡したことで、SBIグループ入り。仮想通貨交換業者(第一種金融商品取引業者)として、仮想通貨の販売所サービスや仮想通貨レバレッジ取引サービスなどを提供してきた。
TAOTAOは、「WAF(ウェブアプリケーション・ファイアーフォール)」や「マネージドセキュリティサービス for Incapsula」などの最先端セキュリティ技術を導入しており、セキュリティ対策にも定評のある取引所。
SBI VCトレードは、SBIグループの仮想通貨交換業者として、仮想通貨の販売所サービス・取引所サービスなどを提供しているほか、2020年11月からは貸仮想通貨サービスの提供を開始するなど、サービスを拡大している。
TAOTAOと同様、セキュリティには力を入れており、顧客の仮想通貨は利用者に専用のハードウォレット「Cool X Wallet」を配布し管理してもらう方式を採用。同ウォレットを介さないと、他の取引所等に仮想通貨を送金できない方式となっており、本人確認がなされたコールドウォレットにしか送付できないようにする方式は国内でも珍しい。
今回の発表で公開された直前事業年度(2021年3月期)の財政・経営状況によると、TaoTaoの総資産は約44億円、純利益は約7900万円。SBI VCトレードはそれぞれ約520億円、約48億円だった。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用