銀行の仮想通貨関連サービスについて質問
米連邦預金保険公社(FDIC)は17日、暗号資産(仮想通貨)などデジタル資産の取扱いについて預金取扱機関から意見の募集を開始した。主に「現在および将来のデジタル資産取扱い事例」について自由回答式で照会するものだ。
FDICは、銀行破綻時などに備えて、米国の銀行預金に保険をかけている政府機関。この保険は、預金取扱機関(銀行等)が米国で運営するために加入が必要なものである。2019年10月には仮想通貨取引所バイナンスUSの顧客の米ドル預金の保証を開始した事例がある。
また、意見募集の通知は背景を次のように説明した。
新たなデジタル資産エコシステムの中で、銀行はカストディアン、準備金保有者、トークン発行者、トークン取引・償還エージェント、ノード機能の実行、デジタル資産発行者の預金の保有などの役割を模索しているところだ。
これらの他に、銀行などがマーケットメイキング(取引を約定しやすくする)や、DeFi(分散型金融)を取り扱うことも考えられるという。米CNBCも最近、近いうちに銀行口座でビットコイン(BTC)の取引サービスを実現できる可能性があると報道したところで、銀行が仮想通貨を扱うことへの期待は高まっている。
取扱い事例やリスク管理について
FDICからの質問は多岐にわたっているが、例えば以下のようなものがあった。
- 現在取り組んでいる、または検討しているデジタル資産関連活動やユースケースがあるとすれば、どのようなものか。(例:カストディ、企業がバランスシートに関わる形で保有する仮想通貨についてのサービス、社内業務の円滑化に関する活動)
- デジタル資産のユースケースについて、測定、監視・管理が困難な特定のリスクは何か。そうしたリスクに対処するために、どのような管理機能やプロセスを実施しているか、あるいはこれから実施できるか。
- デジタル資産活動に対応するために、FDICが既存の監督指針を明確化または拡大すべき分野はあるか。
この他、預金保険と破綻処理に関する質問も設けられている。主に、仮想通貨などデジタル資産の取扱い事例として考えられるもの、またそれに関連する固有のリスクやリスク管理の方法に重点が置かれていた。
FDICは2020年11月、金融技術とブロックチェーンの分野の専門知識を持つ弁護士を求人募集している。この「フィンテック顧問」の役割は、「新しいデジタル技術およびその他のテクノロジーから生じる法的問題に関連するアドバイスと支援をFDICに提供する」ことだとされていた。
応募者の専門分野としては、ブロックチェーン決済システム、分散型台帳開発、スマートコントラクトなどが挙げられており、FDICは新しい資産である仮想通貨をどのように取り扱っていくべきかを、最近本格的に検討している模様だ。
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