ビットコイン続落
週末の仮想通貨市場もテスラ社のイーロン・マスクCEOに振り回される形となった。
ビットコイン(BTC)市場は17日、対日本円で一時500万円を下回った。前日比で7%安、前週比では24%安と続落した。
アルト市場も連れ安したが、時価総額に対する価格の下げ幅はビットコインが相対的に高く、時価総額の規模を比率で表したマーケットドミナンスは、ビットコイン:39%と2018年5月以来の低水準に達している。
下落要因と見られているのが、先週末にビットコイン決済の停止を報告したイーロン・マスク氏の発言(ツイート)だ。
日本時間17日未明に投稿したツイートが、テスラ社が保有するビットコインを売却、もしくは売却する可能性をほのめかした発言として海外大手マスメディアも記事を掲載。ビットコイン価格が下落した。
Indeed
— Elon Musk (@elonmusk) May 16, 2021
ユーザー:ビットコイン支持者はドージコイン擁護の発言などを受けマスク氏を批判しているため、次の四半期決算で仮にテスラが全てのビットコインを売却したことを知らされたら腹を立てるに違いないだろう
イーロン・マスク氏:間違いないね
年初から好調だったビットコイン市場を支えたといっても過言ではないテスラ社の動向なだけに、方針の転換にマーケットの警戒心も高い。
米テスラ社は、2月初めに新型コロナの影響で相次ぐ世界的な大規模金融緩和措置に伴う米ドルのヘッジ手段として、1,600億円(15億ドル)に相当する資金をビットコインに投じ、中・長期的にさらなる買増し及び保有する可能性を示唆している。
その後、テスラ社の購入にビットコイン決済を導入し、決済利用分のビットコインは売却せずに保有し続ける方針を示している。
一方で、テスラ社の保有分に当たるビットコインの一部、約10%を売却(当時のレートで約300億円分)したが明らかになったのが、4月27日の第1四半期(Q1)の財務報告だ。
その後、5月13日にビットコインの採掘およびトランザクションで急増する、石炭など「化石燃料の使用」が現在よりも増えることが懸念されるとして、自身のツイートで「テスラ社がビットコイン決済の停止を表明」したが報告された。
マスク氏は週末にも自身が推すDOGEコインを持ち上げる発言を連投し、17日の未明に今回の発言をツイートした。
売却を示唆する内容と捉えられた本ツイートの内容は、ビットコインについてはただちに売却しない方針を示してた先週末のビットコイン決済中止のツイートから数日と、マーケットも振り回される格好となっている。
また、米国で延期された確定申告日も本日迎えた。コロナ下で膨らんだ金融資産の規模を背景に、納税額を捻出する動きも大きいとする見方もあり、マーケットが警戒する要因となっている。
その他の発言
ドージコインについて、マスク氏は「ブロック時間とブロック容量が10倍になり、手数料を100倍低下すれば間違いなく勝つ」とコメント。取引量が100倍となれば、手数料が100倍となっても手数料の総額は同じであると説明した。
「世界の通貨」となるためには低い手数料と高い取引量が必須であると述べた。
Ideally, Doge speeds up block time 10X, increases block size 10X & drops fee 100X. Then it wins hands down.
— Elon Musk (@elonmusk) May 16, 2021
また、マスク氏はビットコインが実際は中央集権的であると指摘。ハッシュレートの大部分が一部の採掘企業によって占められていると言及した。
Bitcoin is actually highly centralized, with supermajority controlled by handful of big mining (aka hashing) companies.
A single coal mine in Xinjiang flooded, almost killing miners, and Bitcoin hash rate dropped 35%. Sound “decentralized” to you?https://t.co/Oom8yzGRNQ
— Elon Musk (@elonmusk) May 16, 2021
4月中旬に中国のマイニング拠点が運営を停止した際に、ビットコインのハッシュレートが35%急落した事例を挙げ「これは分散化されていると思うか」と一石を投じた。
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