フィデリティのビットコインETFが審査開始
米金融大手フィデリティが申請したビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)について、Cboe Global Marketsが運営する取引所「Cboe BZX Exchange(以下、Cboe)」が、上場先となるための申請書を提出したことが分かった。
Cboeの申請で上場先が決まったため、フィデリティのビットコインETFは審査が開始される。まずは45日間審査を行うが、承認するかの判断は延長することが可能。米証券取引委員会(SEC)は最大で240日間を審査に費やすことができると定められている。
フィデリティのETFの名称は「Wise Origin Bitcoin Trust」。SECに申請を行なったことが分かったのは今年3月で、伝統金融企業の申請は初の事例だったことから注目を集めた。
その時の申請書類「FORM S-1」では、上場先は空欄になっていた。今回の申請では、上場先をCboeにすることが記されている。
Cboeは10日、上場先となる申請を行うために、新たな申請書類「Form 19b-4」をSECに提出した。
これまで米国では、ビットコインETFを承認した事例はない。SECは、承認を却下してきた理由の一つとして「市場操作が行われるリスク」を度々指摘している。
申請書類の中でCboeは、現状、ビットコインの市場操作が行われる可能性は大幅に減少していると指摘。投資家の数が増加し、機関投資家や企業からの需要が増えており、ビットコイン市場は成熟していると説明している。
そして「今回の申請を承認すれば、規制に準拠した透明性の高いビットコインETFを、米投資家に提供できる機会をSECは獲得することができる」と主張した。
SECの長官には、暗号資産(仮想通貨)識者としても知られるGary Gensler長官が新たに就任し、今年は米国でビットコインETFが承認される可能性があるとの見方もある。米国では複数のビットコインETFが申請されており、詳細は以下の記事でまとめている。
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