ビットコインの資金洗浄業者に60億円超の罰金:米国FinCEN

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ビットコイン匿名化サービスに巨額の罰金

米国の金融犯罪捜査網(FinCEN)が19日、法律に違反してビットコイン(BTC)の「ミキシング」サービスを行っていたとして、金融業者Larry Dean Harmonに6000万ドル(63億円)の罰金を科した。

FinCENによると、Harmonはダークウェブと連携したウェブサイト「Helix」を運営し、不正取得されたビットコインの資金洗浄を行い、その出所や所有者を隠蔽した。

匿名性を高めるサービスを提供し、ユーザーからはBTCを指定アドレスに送信する手数料を徴収しており、7日後にはユーザー情報を削除することや、出金後にユーザーが手動でログを削除できるとして、匿名性サービスを強調していた。

報告によると、2014年6月から2017年12月の期間で、Helixでは少なくとも35万6000BTCの取引が行われていたという。

FinCENはHelixが米国銀行秘密法(BSA)を遵守していなかったと指摘。Helixは資金洗浄防止(AML)プログラムを実施しておらず、AMLのために顧客データを収集するどころか、収集した最小限の顧客情報でさえも削除したと主張している。

Helixは不正の疑いがある取引についてもモニタリングを実施していなかったため、FinCENが具体的な違反取引数を完全に把握することは困難だったという。

Harmonは、別の運営サイト「Coin Ninja」についても、掲示板サイトReddit上で、顧客身元確認プロセスを回避するのに役立つと謳ってサービス提供を行なっていた。

またHarmonは 「ダークウェブのGoogle」だと喧伝するウェブサイト「グラムス」の作成者、管理者でもあった。「グラムス」は、ダークネット市場で販売されている違法な商品を対象とした検索エンジンや情報集約サイトとして機能していたものだ。

新たな仮想通貨規制導入か

FinCENは今年2月に、米国当局が近い将来に新たな暗号資産(仮想通貨)規制を施行する可能性が高いと言及していた。

具体的な内容には触れられなかったが、新規制は米国証券取引委員会(SEC)や米商品先物取引委員会(CFTC)との共同発案で行われるのではないかと見られている。

著名な大手銀行でも巨額の資金洗浄

仮想通貨はしばしば資金洗浄との結びつきを指摘されるが、FinCENから漏洩した機密文書によると、複数の世界的な大手銀行でも、20年近くに渡って、200兆円を超える疑わしい資金移動が行われていたことが判明している。

この文書を徹底的に調査した国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によると、JPモルガン・チェース、HSBC、スタンダード・チャータード銀行、ドイツ銀行、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは、不正資金の流れを阻止できなかったとして、米国当局から罰金を科されていた。それにも関わらず、これらの金融機関は犯罪ネットワークに関連した不正な資金移動を行い、利益を得ていたとICIJは指摘している。

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