パロディから始まったドージコインが市場規模5位の仮想通貨になるまで

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価格が急騰したドージコイン

ドージコイン(DOGE)は、2013年に開発されました。誰も今の価格になるとは想像していませんでした。個人投資家が4月20日を “Doge Day “にしようと働きかけたことで、1週間で価格が473%高騰しました。

ドージコインは現在、取引量の多い仮想通貨の一つであり、仮想通貨のユーザーの約75%がドージコインに投資しています。2021年4月20日現在、1コインあたり0.40ドル(約44円)で取引されており、時価総額は522億ドル(約5兆円)に達しています。最近の価格上昇で、DOGEは時価総額で5番目に大きなデジタル資産となっています。その結果、人気の高いアルトコインである、カルダノやポルカドット、テザーをも上回っています。

インドの仮想通貨取引所、CoinDCXの共同設立者であるNeeraj Khandelwal氏は、ドージコインの強気相場に関して次のように説明しています。

利用者のおよそ75%が、ドージコインに投資していたようです。通常の15倍ほどのアクセス数が突然発生し、サイト管理が非常に困難になりました。

しかし、今日の仮想通貨市場において、ドージコインには値段に見合った価値があるのでしょうか?それとも、個人投資家が仕組んだ「パンプ・アンド・ダンプ」(価値のない資産の価格が人為的に急速に上昇していくがある一定の価格で急落すること)なのでしょうか。それを知るために、ドージコインの背景と簡単な歴史を見てみましょう。

背景と開発

元々、ドージコインは2013年にジョークとして開発したデジタル資産です。当時流行していたミーム「doge」の柴犬を使って開発されました。創業者たちは当初、「次のビットコインになる」と言われていた全てのデジタル資産を風刺するために、ドージコインを作りました。

Markus氏は次のように述べています。

当時はどの仮想通貨も差別化を図ろうと必死になっているものの、どれも同じような感じでした。そこで、それら仮想通貨のパロディとして開発しました。

2013年、仮想通貨ウォレットのひとつである「dogewallet.com」から、少なくとも1,100万ドージコインが盗まれました。このサイバー攻撃により、同通貨はTwitterで最も検索された仮想通貨となりました。そのため、ドージコインは有名になり、多くの投資家の目にとまることとなりました。

供給枚数が約1300億に設定されているドージコインに関する最大の懸念は、供給量に上限がない、つまりコインがインフレになる可能性が高いということです。

Asianmarketsense.comのライターであるアンドリュー・サリバン氏は次のように述べています。

現在、コインの大部分はごく少数の人が保有しています。彼らは、一定のレベルに達したときに現金化したいと考えるでしょう。その時に最も被害を受けるのは、最後に参入した少額投資家たちと考えられます。

ドージコインでこれまでに見られたボラティリティの高さを考えると、今から購入することには高い危険性があると考えられます。

ドージコイン支持者の願い

ドージコイン価格が急上昇したのは、2021年2月にイーロン・マスク氏が、ツイッターでドージコインについて言及したことがきっかけでした。

 

世界的に有名なラッパーのスヌープ・ドッグ氏は2月、自身のアルバムジャケット写真にドージコインのアイコンを載せ、タイトルを自身の名をもじって「Snoop Doge」とプリントした写真を投稿。マスク氏は、それに応えるかのようにドージコインに関する投稿を盛んに行った結果、ドージコインの価格が急上昇しました。

ドージコインの支持者たちは、4月20日を「Dogeday 4/20」とし、ミーム投資という現象の記念日にしようとしています。

彼らは、価格を最大限に高騰させたいと考えており、GameStop(GME)株価格に相当する価値を持つ仮想通貨にすることを目標にしています。途中から参加した投資家たちがの価格を1ドル(約108円)にまで引き上げることができるかどうかは分かりません。確かなことは、ドージコインが時価総額が5位の仮想通貨であり、自動車メーカのフォード社よりも時価総額が高いということ、そして、ジョークで済ますことのできない存在になりつつあるということです。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

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