ビットコイン売上が10倍以上増加
モバイル決済などを提供する米国企業スクエアが、2021年第1四半期の決算を発表。暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の売上が、前年同期比で約11倍も増加したことが分かった。
2021年1Qのビットコイン売上は35億1,000万ドル(約3,820億円)に達した。一方で、ビットコイン売上による粗利益はビットコイン売上の約2%に当たる7,500万ドル(約81億円)にとどまっている。
スクエアは「ビットコイン売上は、ユーザーへのビットコイン販売額の合計。ビットコインにかかった費用は、当社が購入したビットコインの総額」と説明。スクエアは、ユーザーがビットコインにスムーズにアクセスできるようにビットコインを購入しているという。
またビットコイン販売による粗利益が、売上に対して少ないことについては、ビットコインの市場価格は変動しやすく、スクエアがコントロールできるものでもないため、ユーザーがビットコインを購入する際にわずかな手数料しか設定していないことを挙げた。「ユーザーのビットコインへのアクセスを促進するのが当社の役割」とも言及する。
スクエアは、第1四半期について事業全体の粗利益が9億6,400万ドル(約1,050億円)に達したと述べているため、ビットコイン販売による粗利益は全体の約7.7%に貢献したことになる。
コインポストの提携メディアThe Blockが作成したグラフによると、ビットコインからの粗利益は2020年1Q時点では700万ドル(約7.6億円)だった。2021年1Qは7,500万ドル(約81億円)に達したため、一年間で10倍以上に成長したことになる。
同社はビットコイン売上増加について、次のように説明した。
スクエアは、モバイル決済アプリCashApp全体についても「2021年第1四半期に力強い成長を遂げた」と報告。40億4,000万ドル(約4,400億円)の売上と4億9,500万ドル(約540億円)の粗利益を生み出し、それぞれ前年比666%、171%増加した。ビットコイン売上を除いたCashAppの売上は5億2,900万ドル(約577億円)で一年間で139%成長したという。
財務資産として購入したビットコイン
さらに、スクエアは財務資産として購入したビットコインのパフォーマンスについても説明している。スクエアは2020年10月に初めて財務資産の一部をビットコインに投資、2021年2月にも追加購入を行った。
*太字箇所一部訂正(5/7 18:00)
この投資については、以下のように述べている。
2020年第4四半期に5,000万ドル、2021年第1四半期に1億7,000万ドルをビットコインに投資した。
耐用年数が確定できない無形資産として、ビットコインの公正価値が評価期間中に帳簿価額(一般的に取得時の金額で記帳され、決算時に評価が見直される)を下回った場合、ビットコインは減損損失の対象となる。第1四半期に、当社はビットコインへの投資について2,000万ドルの減損損失を記録した。
2021年3月31日現在では、ビットコイン資産の公正価値は、市場価格に基づいて4億7,200万ドルだった。帳簿価額を2億7,200万ドル上回ることになる。
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