銀行口座でビットコインを売買
既存の銀行口座でビットコイン(BTC)を売買・保有することができるサービスの提供に向け、米国で準備が進められていることが新たにわかった。
詳細な情報を入手した米CNBCによると、銀行口座でビットコインの取引サービスが提供される計画が2021年内に実現できる可能性があり、何百という銀行がすでにサービスを提供するための計画に参加しているという。大手銀行とはまだ話を進めている段階だが、中小の銀行を中心にサービスを提供予定で、ビットコインの普及がメインストリームで加速するとの見方が出ている。
CNBCに詳細な情報を提供した企業は、ビットコインに特化した技術や投資ソリューションを提供するNYDIG。NYDIGとフィンテック企業「Fidelity National Information Services(FIS)」も5日、両社が協力して、銀行口座でビットコインの売買・保有ができるサービスを提供するとプレスリリースを発表している。
銀行の個人の顧客は今まで、通常はビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)を取引するために、コインベースなどの仮想通貨取引所やPayPal、スクエア、ロビンフッドなどのサービスを利用してきた。NYDIGのトップYan Zhao氏は「口座に預けられている米ドルがコインベースやクラーケンなどの取引所へ送金されているため、銀行は内部で取引が完結するビットコインの取引サービスを提供することを求めている」と説明している。
FISでデジタルバンキング部門のトップを務めるRob Lee氏は、「中小の銀行がビットコイン取引を提供し、手数料収入などで利益を得れば、JPモルガンチェースやバンク・オブ・アメリカなどの大手銀行に、一般の顧客に仮想通貨サービスを提供しなくてはというプレッシャーがかかる可能性がある」とした。
NYDIGは今後、ビットコインで報酬が得られるデビットカードの提供や、連邦預金保険公社(FDIC)に保証された新しい銀行口座の導入といった新たなサービスを計画しているという。
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