USDT、コインベースに
先週ナスダックに上場した暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが、テザーの米ドルステーブルコイン(USDT)の取扱を発表した。
コインベースのCoinbase Proが取り扱うのは、イーサリアム基盤のUSDT。すでに入金は始まっており、取引は米時間26日以降に開始する(ニューヨーク州の居住者は対象外)。
当初実施される取引ペアは、BTC/USDT、ETH/USDT、USDT/EUR、USDT/GBP、USDT/USD、USDT/USDCの6つ。USDCはコインベースがCircle社と共同で開発した米ドルのステーブルコインで、USDTとの流動性も強化する。
USDTの取扱いや、ニューヨーク州が対象外対応は、テザー裁判の結果に関連していると見られる。USDTを発行するテザー社と関連企業Bitfinexは今年2月に、8.5億ドルの不正融資疑惑を巡る裁判で、米ニューヨーク司法当局と和解に至っており、USDT取扱いの不透明性が減退した。また、和解時の条件として、ニューヨーク州での運営停止が要求された経緯があり、NY州居住者への取引にも制限がかけられている可能性がある。
テザー社は長い間、USDTの裏付け問題をめぐってその正当性が懸念されていたが、NY司法当局と最終的に和解に至った。テザー社は裏付け資金に関する四半期レポートを開示することを和解の合意内容として承諾し、USDT発行の透明性を高めるアプローチを実施している。
コインベースによるUSDTの紹介でも、「テザー社はUSDTの完全な裏付けを保証する責任があり、100%の裏付け資産を持つことを掲げている」と記述した。
USDTは現在、グローバルで最も利用されているステーブルコインで、時価総額は5.3兆円に上る。
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