BitMEX、サービス拡大へ
暗号資産(仮想通貨)デリバティブを手掛けてきた大手取引所BitMEXが22日、現物取引などサービスを拡大していくことを公式ブログで発表した。ブローカーやカストディなどを提供することで「世界最大の規制に準拠した仮想通貨デリバティブ取引所」を目指す。
BitMEXは2014年と仮想通貨界隈では比較的に歴史の長い取引所だ。デリバティブ商品を主に提供してきたが、近年は仮想通貨取引所の台頭で市場シェアが減少してきたほか、昨秋には元CEOのArthur Hayes氏らが米国の銀行秘密法(BSA)違反の疑いで米国の政府機関から告発されるなど、一時は事業継続が危惧されていた。
その後、今年1月より欧州の証券業界で経歴を持つAlexander Höptner氏をCEOに任命し、新体制で再スタートを切っていた。
発表によれば、今後「規制に準拠した、世界最大の仮想通貨デリバティブ取引所を目指す」方針を表明。その上で今後現物取引、ブローカー、カストディ、情報商品、そしてアカデミーなどの新サービスを提供していくことを明かした。
新サービスの詳細
BitMEXは暗号資産の現物取引(売買)をグローバルに提供する。またライセンスを取得したブローカー事業を設立することでOTC取引などを提供するという。
また業界最高峰基準のセキュリティ機能をよしたカストディサービスも予定していることを明かした。
現物取引・カストディ・ブローカーサービスの提供を検討していることは3月上旬にブルームバーグが報じていたが、今回正式に発表された格好だ。その他にも規制当局や知識の深さが異なる様々なユーザーを対象とした仮想通貨に関する情報・教育ポータルも設立することが判明した。
Höptner CEOは仮想通貨コミュニティにわかりやすいプロダクト情報を提供するために、「情報製品部門」を設立することを明かした。同社のデリバティブや現物取引、カストディやブローカー事業に関する信頼できる情報を提供するという。
その他にも、顧客や業界の仮想通貨トレードのエコシステムに関する情報を提供するため、教育プラットフォームの「BitMEX Academy」を設立する意向を発表。初心者から有識者まで全てのユーザーでも有益となる仮想通貨に関する情報コンテンツを発信する。
仮想通貨取引の初心者への情報共有だけではなく、規制当局に対して「透明性を高める」ことで仮想通貨取引所と既存の金融機関との違いを説明していく狙いもあると説明した。
また、新サービスを拡大しつつ、「高い評価を得ている管轄区域での追加ライセンス」の取得を進めているとHöptner氏は語ったが、主要な規制機関がどの規制当局となるかは現段階では明かさなかった。
さらにHöptner氏は今後1年間でBitMEXの人員拡大も進めていく計画を示し、その過程で資金調達も検討していると発言。「IPOやSPAC、トークン発行などに高い関心を持ちながら、全て(の選択肢)を評価している」と述べた。
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