Chainlinkのオラクル機能を統合
異なるブロックチェーンの相互運用性を実現するプロジェクト「Polkadot(ポルカドット)」は2日、Chainlink(LINK)のオラクルをネットワーク内で利用できるようになったことを発表した。
ブロックチェーンにおけるオラクルとは、ブロックチェーン外のデータをネットワークの中に取り込む機能。これでPolkadotのエコシステムは、容易に価格データなどの外部情報を利用できるようになった。独自にオラクルを開発する手間やリスクもなくなるため、プロダクトの開発や運用においてコアな作業に集中できるという。
昨年5月にメインネットをローンチしたPolkadotは、まだ本格的に運用しているわけではなく、現在もコア機能の実装に向けて開発が継続中だ。
現在は並列する独立したブロックチェーンである「パラチェーン」の機能を実装する段階まで来ており、これがホワイトペーパー(事業計画書)で説明されている中で、ローンチが予定されている最後のコア機能となる。
Polkadotの開発において、Chainlinkのオラクル機能を統合する計画があることは以前から明らかになっていた。昨年2月には、Polkadot関連の開発フレームワーク「Substrate」へ統合するため、初期段階の作業が終了したことが判明した。
今回の発表は、Chainlinkのオラクル機能の統合が完了したことを意味する。Polkadotには、新しいアイディアの実験などに活用される「Kusama」というネットワークがあるが、ChainlinkのオラクルはKusamaでも利用が可能だ。
Chainlinkとは
Chainlinkは、分散型のオラクルプロジェクト。ブロックチェーンのネットワークは単独では外部の情報にアクセスできないため、例えば暗号資産(仮想通貨)の価格を参照する必要がある時などにオラクルを利用する。
Chainlinkのオラクルは複数のノードを立て、異なるソースからデータを取得することができるため、分散化されていることが大きな特徴。また、DeFiやNFT(非代替性トークン)のプロジェクトでも採用されたり、中国の国家ブロックチェーンプロジェクト「BSN」が導入するなど実績が豊富だ。
Polkadotでは分散型取引所(DEX)などDeFiのユースケースが多く見込まれるため、信頼できる価格データなどの外部情報を容易に取得できるようになることは大きな意味を持つ。
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