ビットコインの大量出金
4月1日18時頃、米大手仮想通貨取引所コインベースから約12,000BTC(約800億円)に相当するビットコインが大量出金された。
仮想通貨のオンチェーンデータプロバイダーCryptoQuantのチャートによると、コインベースから1万BTCを超える大口出金は3月では5回あり、計64,000BTC以上のビットコインが出金された。
取引所からの大口出金は、中・長期保有を見据えたカストディウォレットなどへの資金移動が示唆されることから、売り圧の低下につながると見られる。
下図が示すように、昨年12月以来、主要取引所に預けられたビットコインの在庫は継続的に減少している。
機関投資家のビットコイン売買では、米最大手のコインベースが頻繁に利用される。テスラやマイクロストラテジー社など、大企業のビットコイン購入後と思しきタイミングで、大口の出金履歴が確認された事例も少なくない。
オンチェーンデータの信頼性
一方、ブロックチェーン上のオンチェーンデータ分析の精度は、100%完全ではない。
送・受金先アドレスのラベルミスなども起こり得ることから、分析企業によって見方が割れて論争に発展した事例もある。オンチェーンデータのアラートを悪用したパンプ&ダンプ懸念など相場操縦リスクもあるため、全体の需給など冷静に観察する必要があると言える。
また、必ずしも大口の出金と相場の上昇が一致するものでないことには留意したい。
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