国際決済銀行、デジタル通貨(CBDC)めぐる国際協調の必要性を提唱

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CBDCの利点や国際協調の重要性を議論

国際決済銀行(BIS)のAgustín Carstens総支配人が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利点や、CBDCをめぐる国際協調の必要性について講演した。ピーターソン国際経済研究所の主催によるものだ。

Carstens氏は、CBDCの考えられる形態として、「中央銀行に保有する口座」と「トークン」という二つの方向性を挙げ、それぞれさらにリテール型(個人に直接配布するもの)とホールセール型(商業銀行が仲介するもの)に分けられるとした。

現在でも民間銀行が中央銀行に有する口座はデジタル化されていることが多いため、実質的にこれらはある種のCBDCになっているともいえると同氏は議論。しかしこれに加えて、現在検討されているCBDCは、トークン型のCBDCや、リテール型の中央銀行口座についても新しい可能性を開くという。

出典:BIS

CBDCの利点の一つとしてCarstens氏は、例えば決済取引が発生した場合、中央銀行に保有されているCBDCをあるユーザーアカウント(消費者など)から、別のアカウント(店舗など)に移せばよいだけとなり、プロセスがはるかに簡単になることを指摘した。

「信用リスクはなく、資金は仲介機関のバランスシート上にない。取引は中央銀行のバランスシート上で、リアルタイムで直接決済される」と同氏は語る。

「国際的な協力体制が必要」

Carstens氏はまた、CBDC構築の上では国際的な協力体制が必要だと強調。「中央銀行のCBDCへの取り組みは、グローバルな共同作業である」とした。

特に、各国の発行するCBDCを国際決済に適用する上では、決済システムの営業時間の違い、通信基準の違い、為替レートや手数料の透明性の欠如など、今日のコルレス銀行システムの問題点を改善することができるとした。

最近BISが発行した論文によれば、各国CBDCを連携させる上では技術的に次の三つの選択肢がある。

  1. 互換性の強化
  2. 技術的インターフェースの共有による相互連携
  3. 単一システムへの統合

また、CBDC発行にあたって先行者利益が存在する(早く発行した国が有利になる)、あるいはCBDCが国際的な基軸通貨をめぐる競争や地政学の手段になる可能性があるという議論については、Carstens氏は異議を唱えた。

「こうした議論の多くは誇張されたもの」として、次のように主張する。

国際的な基軸通貨の状況は、その通貨の効率性、開放性、長期的な価値への信頼など様々な要因に左右されるものであり、ある法定通貨がデジタルで発行されても、そのデジタル性だけを理由として、世界の基軸通貨として普及する可能性は低いだろう。

むしろ、「CBDCの設計は、競争ではなく世界的なコラボレーションの取り組み」だと強調した格好だ。Carstens氏によると実際、国際決済を改善するための取り組みは、中国、EU、米国など様々な主要経済国が参加するG20によって促進されているところでもあるという。

さらにこうしたグローバルなCBDC設計の取り組みは「民間の発行するステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)」以外の選択肢にもなり得るだろうと言及した。

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