ビットコインのマイナー収益
ビットコイン(BTC)のマイナーが獲得した月間収益の合計が、2月に過去最高額に達したことが分かった。
前回に最高額を記録したのは暗号資産(仮想通貨)バブル期の2017年12月で、その時のマイナーの月間収益は12.5億ドル(約1330億円)。その後は仮想通貨の価格低迷に伴い大きく落ち込んでいたが、21年2月は過去最高の13.6億ドル(約1450億円)まで増加した。
昨年10月ごろから上昇トレンド入りしたビットコインは、同年12月にバブル期の最高値約200万円を大幅に更新、翌年2月21日には一時614万円に到達した。時価総額では、2月17日に対円で100兆円を突破し、2月20日には対ドルで1兆ドル(約106兆円)を超えた。
上記のマイナー収益の棒グラフは、CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockのデータだ。収益の内訳を表すために色分けされており、ピンクが取引手数料、紺色がブロック報酬を示している。先月の収益に占める取引手数料の金額は1億8640万ドル(約199億円)で、それ以外はブロック報酬だった。
イーサリアムのマイナー収益
イーサリアムのマイナーが獲得した月間収益の合計は、2021年1月に2018年1月の最高額を更新。先月はさらにそれを更新して13.7億ドル(1460億円)に達しており、ビットコインのマイナー報酬も上回った。
一方イーサリアムは、収益のおよそ半分をネットワークの取引手数料(ガス代)が占めている。イーサリアムの価格高騰、DeFi(分散型金融)の急激な利用増加、NFT(非代替性トークン)の人気の高まりで、トランザクションが増加した。
マイナーは経済原理に基づき、手数料が高く設定されているトランザクションから先に処理するため、イーサリアムのネットワークではガス代が高騰。ユーザーからは不満の声も聞かれている。
現在は手数料高騰の問題を解決するために、改善提案(EIP1559)が議論されており、早ければ21年7月にも新たな手数料モデルが導入される可能性が浮上。しかしマイナーの間で導入に対する賛否が分かれており、先行きは不透明だ。
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